足立朝日

気づいて 中高年女性の生きづらさ 当事者が冊子やワークショップ

掲載:2023年9月5日号
 ようやく、社会的な男女格差に、人々の目が向けられるようになってきた。だが、そこから見落とされがちな世代がいる。
 中高年の女性たちの生きづらさを共有し、対話や交流を通して、居場所づくりや学びの機会を作る活動をしているのが、古怒田悦子さん(足立区在住)と安田晶子さん(川崎市在住)が共同代表を務める「Alliance YouToo」(アライアンス ユートゥー)だ。
 安田さん自身「お母さんだから妻だから、と役割がのしかかってくる」のを経験。その思いから「若い人のジェンダー不平等は性暴力などがメインで、今は声を上げやすい。声を上げられない中年世代のために」と、古怒田さんと活動を始めた。
 夫と同じように仕事をしていても、妻だけが子育てや家事の責務を負わされ、両立できない自分を責めたり、不満を抱えている女性は多い。「モヤモヤの根底にあるのは、社会がそのように作られているから」と安田さん。「内助の功」が当たり前とされてきた中高年世代は、不平等に気づきにくい実態がある。
 月1回のオンラインイベントを開催。昨年8月にはあだちまちづくりトラスト助成金で、冊子「シニア女性白書~見過ごされてきた中高年女性の生きづらさ~」を発行した。2人で45~69歳の女性30人以上にインタビューしてまとめたもので、女性政策研究家の三井マリ子氏が寄稿。Amazon Kindleの電子書籍では6部門で1位を獲得した。
 10月に、思いを言葉にするメモ書きでミニ冊子を作るワークショップを開催する。書くことで自分の思いに気付き、モヤモヤの原因を整理、深堀りできるというもの。
 「自分の立場や役割はそういうものだと思っているとツラいまま。仕組みだから仕方ない、ではなく、その仕組みが変わっていったらいいよねと思ってもらえたら」。当事者の女性自身に気付いてほしいと考えている。
▼「気づきからZINEを作ろう~誰でも2時間で作れる自分のための小冊子作成ワークショップ」
【日時】10月8日(日)午後2~4時【場所】東京ウィメンズプラザ(千代田線「表参道駅」B2出口徒歩7分)【料金】500円(資料・材料費)【内容】①自分の思いを言葉にしてみる②エマ・ワトソン国連スピーチを視聴③My ZINE(冊子)を作る【申込み・詳細】https://peatix.com/event/3682186/view
▼冊子「シニア女性白書~見過ごされてきた中高年女性の生きづらさ~」Alliance YouTooのHPから購入(800円)。電子書籍はAmazonで(400円)。

写真上/安田さん