足立朝日

Vol.37作曲家の秘密season4.第15回 グラナドス、タレガ、アルベニスと福田進一

掲載:2023年9月5日号
隠された波乱万丈の生涯 演奏と語りで

 演奏家が、古今東西の作曲家の波乱万丈に富んだ生涯を音楽と共に語りながら贈る――何とも興味深い公演が、かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホールで行われる。「作曲家の秘密」と題した同公演は、今回第15回を迎え、日本を代表するギタリスト・福田進一が登場する。
 パリ・エコール・ノルマル音楽院を首席で卒業した福田は、1981年パリ国際ギターコンクール優勝。以後40年、ソロ・リサイタル、主要オーケストラと協演、超一流ソリストとの共演など、国際的な活動はとどまることを知らない。世界数十カ国の主要都市でリサイタルを行い、世界的な評価を獲得している。
 近年では2019年3月に、モスクワのチャイコフスキーホールで武満徹の協奏曲「虹へ向かって、パルマ」をロシア初演。大成功を収め、唯一無二の国際派日本人ギタリストとしての高い評価を得た。また、教育活動にも力を注ぎ、門下からは鈴木大介、村治佳織、大萩康司、朴葵姫といったギター界の実力派スターたちを輩出している。発表したCDは100枚を超え、2017年には自伝的エッセイ「6弦上のアリア」を上梓。2019年公開の福山雅治主演映画「マチネの終わりに」では、クラシックギター監修を務めた。平成19年度外務大臣表彰。平成23年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞。上海音楽院・大阪音楽大学・広島エリザベト音楽大学・昭和音楽大学客員教授。
 当日、福田が想いを馳せるのは、スペインの大作曲家であるエンリケ・グラナドス、フランシスコ・タレガ、イサーク・アルベニス。演奏曲は、グラナドス(福田進一編)スペイン舞曲第2番「オリエンタル」他2曲、タレガ「アルハンブラの思い出」他2曲、アルベニス(福田進一編)スペイン組曲Op.47より第6曲「アラゴン」他3曲、アルベニス(J.ウィリアムス編)スペインの歌Op.232より第4曲「コルドバ」など。
 温和でダンディな福田が奏でるノスタルジックで優しい曲や、情熱がほとばしる熱い曲の数々を、語りと共に堪能できる。
【日時】10月18日(水)午後1時30分【料金】2500円【問合せ・チケット予約】TEL5670・2233(未就学児入場不可)

写真/(C)Takanori Ishii