足立朝日

千五小跡地に学びの多様化学校 東京みらい中学校 不登校生対応 来年4月開校

掲載:2023年10月5日号
 千寿第五小学校の跡地(足立1-13-26)に、来年4月1日、「東京みらい中学校」が開校する。区内初となる私立の学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)で、運営母体は学校法人三幸学園。校長は元教育長の定野司氏が務める。

 千寿第五小学校の跡地(足立1-13-26)に、来年4月1日、「東京みらい中学校」が開校する。区内初となる私立の学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)で、運営母体は学校法人三幸学園。校長は元教育長の定野司氏が務める。
◆好奇心を育む学校
 学びの多様化学校は全国に24校(公立14校、私立10校)、うち8校が都内にあり、私立は2校目。学校教育法に定められた公的な中学校で卒業資格が得られる点が、フリースクールとは大きく異なる。学習指導要領などにとらわれないカリキュラムで、生徒の学習ペースに合わせた学習方法や、一人ひとりに向き合った生徒支援を行う。
 不登校の子どもたちの抵抗感を減らすために、同校では「学校」のイメージを和らげる工夫が随所にされている。
 教員室は「スタッフルーム」、保健室は「ヘルスルーム」など、ネーミングを変えているのもその一つ。また、開放感のあるエントランスには下駄箱がなく、本が並ぶライブラリーラウンジがある。約1万冊の蔵書があるが図書室は作らず、エントランスのほかにも幾つかあるオ
ープンスペースの本棚に分散して置かれ、一人になりたい時にくつろいだり、気軽に本に触れられる場所としている。
 カリキュラムでは、生徒自身が1日の学習予定を立て、その振り返りを行う「マイタイム」、適切なコミュニケーション力や協調性を身に着ける「ソーシャルスキルトレ―ニング(SST)」が特徴的だ。
 同校準備室の担当者は「生活習慣も含めて基本的なことを身につけ、最終的には行きたい学校を見つけて、目指してほしい」と、未来ある子どもたちの手助けへの熱意を話す。
 すでに実施しているオープンキャンパスには、足立区だけでなく近隣の県からも訪れているそうで、関心の高さがうかがえる。
●地域の避難所機能
 避難所機能の設置は、地元からの強い要望により公募の際に条件となっていたもの。準備倉庫と水害時の避難を考慮して浸水深4・7m以上の位置である7階に500㎡の体育館が設置されており、区では今後、地域の避難所運営会議を立ち上げ、訓練も実施していくとしている。

写真上から①/明るい校舎の外観
②/ライブラリーラウンジ
③/避難所にもなる体育館(アクティブルーム)
④/備蓄倉庫