足立朝日

「大橋眼科」の洋館 移築先決定 千住大橋近くの㈱ニッピ所有地

掲載:2023年11月5日号
 昨年解体された千住の名物建物「大橋眼科」の移築場所が決定した。
 千住大橋近くの千住隅田川テラス(スーパー堤防)に面した一角で、㈱ニッピが所有する約150坪の土地。大型マンションが並ぶエリアで、千住大橋駅から徒歩4分という好立地にある。
 大橋眼科は初代の建物が1917年築で、老朽化により1980年に建て替えられた洋館。数々のアンティーク部材が組み込まれたクラシカルな風貌が異彩を放っていた。
 ㈱阿部養庵堂薬品(旧ノルデステ/本社=柳原)の阿部朋孝社長(38)が移築再建プロジェクトを立ち上げ、昨年9月~11月、クラウドファンディングで目標額を超える約2千3百万円を達成、移築先を探していた。
 「千住のランドマークにしたい」との強い思いがあり、地域を限定した土地探しで苦戦。区とも協議するなど様々な可能性を模索した末、㈱ニッピに辿り着いた。
 「待ってました、と快諾していただきました」と阿部さん。古いものを大事にしつつ、人の見えるまちづくりを目指す㈱ニッピと意気投合。「縁を越えて、必然性すら感じる」と話す。
 千住隅田川テラスには桜並木があり、すぐ近くには芭蕉の旅立ちの碑がある大橋公園や、石洞美術館もある絶好のエリア。洋館のイメージを大事に、焼菓子の販売やパン屋レストランなど、遠くから足を運びたいと思わせるようなスポットを目指す。2025年半ばから移築を開始、2026年5月のオープンを予定。

写真上/解体前の大橋眼科
下/移築先の土地