足立朝日

漫才やオペラも 多様性溢れるステージ盛況 ミルディス音楽祭

掲載:2023年12月5日号
 ミルディス音楽祭が10月29日(日)、マルイ北千住2階入口の特設ステージで2年ぶりに開催された。主催は北千住マルイ、北千住都市開発、足立区シアター1010指定管理者。
 えんチャレ(あだちエンターテイメントチャレンジャー支援事業)登録団体の7組とシアター1010にゆかりのあるゲスト2組の計9組が出場。音楽やお笑いでステージを盛り上げた。
 最初を飾ったのは「アツキヨ」。北千住駅前での出会いのエピソードのトークを交え、アツシさんのハートフルな歌声と聴覚障害のキヨさんの明るいサインボーカルが、集まった人々に元気を届けた。
 東京芸大の学生と卒業生による「ミレニアムシンガーズ」は、正装で登場。朗々と響くオペラの歌唱法に、買い物客や通行人が次々に吸い寄せられるように集まってきた。メンバーは「聞いてくれるかドキドキだった」そうだが、街かどクラシックが足立区で受け入れられることが証明された一幕となった。
 異彩を放っていたのは「エッグ&プリン」。プリンさんの迫力ある女装と爽やかな歌声、エッグさんの体を張ったダンスによるパワフルなステージを展開。この日のために振り付けた「ゲット・ユア・チャンス」など4曲を披露した。ユーモアたっぷりのトークもあり、食い入るように見つめるチビッ子や手拍子で楽しむ年配の夫婦の姿もあった。
 終了後、エッグさんは「反応がめちゃめちゃよかった。10月の都市農業公園収穫祭で、初めて自分たちを見たという人も来てくれた」、プリンさんは「やさしい方ばかりで、あたたかくて一体感があった」とホッとした様子。このステージで、LGBTの当事者に身近に接したという人もいることから、プリンさんは「自分の影響で足立区の人たちを変えられたらうれしい。押しつけでなく、こういう人間がいることを知ってもらえたら」と語った。

写真/パワフルなエッグ&プリンにみんなノリノリ