足立朝日

正月は足立区イメージのビールで乾杯! 文教大生5人がゼミで考案 ~千住のビール醸造場とタッグ~

掲載:2024年1月5日号
 文教大学(花畑5-6-1)の清水麻帆ゼミ(製造業班)では「文化と地域創生」をテーマに、文化資源の開発や地域活性化を目指して活動している。その一環として、同ゼミ生5人が、千住の醸造場兼店舗「さかづきBrewing」(千住1-20-11)とタッグを組み、足立区をイメージしたクラフトビールを2種類を開発した。

◆地域の人たちが誇れるビールを目指して
 メンバーは国際学部4年の赤羽さん、若山さん、吉野さん、柏葉さん、諸川さん。2022年春から実際にビールを醸造する同店と協働で、新商品の味の方向性を決める商品企画を進めてきた。
 「足立区に来なければ飲むことができない地域の人たちが誇れるビール」を目指して区外出身の5人は、まず始めに足立区を知るために千住の街を歩いたり、図書館で歴史を調べたり、アンケートを実施して足立区のイメージを調査するところからスタート。
 そして300件を超すアンケートから、足立区には昔ながらの雰囲気を大切にした家屋が多く、昭和レトロな街並みが残る点と銭湯が多い点に着目。一方で、銭湯が多いことは足立区に住んでいない人にはあまり知られていないことも分かった。
 この差を埋めるため、当初は1種類の予定だったビールを「昭和レトロ」と「銭湯」をイメージして2種類、同店の金山尚子代表に提案。金山代表も「面白い」と2種類のビールを造ることが決まった。
◆昭和レトロの「ノスタルジックラガー」と銭湯の「ゆうばれエール」
 昭和レトロをイメージした「ノスタルジックラガー」(300㎖、税込620円)は、年配の人には昔懐かしい雰囲気を感じ、若者には新しさを感じる。どっしりとした苦みのラガーは最初の一杯にオススメ。
 銭湯をイメージした「ゆうばれエール」(同680円)は、柚子のアロマとヒノキがほんのり香る湯上りにさっぱりと飲めるビールで、苦みが不得意な人でも飲みやすいと評判。
 いずれも「さかづきBrewing」で飲めて、特徴ごとに異なるグラスで提供されるが、自宅や手土産用に500㎖の缶テイクアウトもある。提供期間は今年始め頃まで。
 金山代表は「ビールのコンセプトがしっかりしていて、若者らしいビール。ぜひお店に来て、飲んでみて欲しい」。学生たちも「足立区を歩いた後に銭湯に入って、最後にお店でビールを飲んでください。足立区に誇りを持てる一杯です」と話す。
【さかづきBrewing】TEL5284・7676、営業時間は水~金=午後4時~10時半、土祝=午後1時~10時半、日=午後1時~9時半、月火定休※年始は6日(土)から営業。
【メモ】ほかに足立の名を持つビールとして、2011年から酒千会が販売している、日米交流の印である区内里帰り桜の酵母を使用して醸造された「あだち桜物語」(310㎖税込396円)がある。千住中居町25-12の成田酒店(TEL3881・6056)で販売中。

写真上/「ノスタルジックラガー」(左)と「ゆうばれエール」
中/(前列左から)吉野さん、赤羽さん、若山さん、(後列左から)柏葉さん、
諸川さん=大学で
下/ビール造りについて話し合うメンバー=同