足立朝日

北千住駅東口再開発 アドバイザリー会議で 学識経験者から苦言も

掲載:2024年3月5日号
 北千住駅東口の再開発について紹介した昨年8月号の記事に、大きな反響があった。再開発計画を初めて知ったという声や、120mの高層ビル計画では下町の良さが失われる等の反対意見がほとんどだった。
 再開発の該当地区は北千住駅東口正面の交差点までの駅沿いのエリア。左が北街区、右が南街区で、建設事業の企業は異なる。再開発事業の主体である大手企業と地権者による準備組合の計画案を、区が検討する形で進められている。
 南街区は商売を営んでいる地権者が多く、今の場所での自宅兼店舗の継続を希望し、再開発に反対。「北千住東口地区再開発を考える会」を発足し活動している。
 先行して進められている北街区については、これまで3回のアドバイザリー会議を区役所で開催。非公開で区が学識経験者らから意見を聞くもので、3回目の昨年10月2日(月)には、区側は副区長と担当課長ら8人、学識経験者は大学教授や弁護士、UR都市機構など7人が出席した。
 その時点での準備組合からの提案は、地下1階、地上27階建てで、住宅、商業施設、子育て支援施設等に、新たにホテルが追加。問題の東口エリアが25mの高さ制限に対し、120mのビルが提案されている件には、昨年7月の第2回の同会議に続き疑問視する厳しい意見が出た。
 一帯は木造密集地域で、個別の建て替えが進まない現状だが、再開発によりそれが一気に解消される利点は評価されている。
 容積率700%や斜線規制は、準備組合の要求する大幅な規制緩和が前提であり慎重さが求められる。「街並み誘導型地区計画」の変更には、地域で話し合う必要も示された。
 また、2回目の会議で、エリア内の銭湯(梅の湯)について議論がないことへの懸念が出ていたが、その後もなされていない。千住が銭湯や市場がある下町情緒の町として海外で紹介されているとして、再度の議論を促す意見もあった。
 準備組合は2024年度の都市計画決定を目指したいと区に要望しているが、地権者や住民の不安を置き去りにされないよう、注視が欠かせない。

写真/再開発計画が先行している北街区