足立朝日

JT跡地利用

掲載:2008年4月5日号




JT社宅跡地(08年4月1日千寿常東小から撮影)

住民要望のホテル誘致、継続審査議決

 北千住駅東口のJT跡地について、足立区が初めて取得への明確な姿勢を示した。
 跡地の敷地面積は全体で3・4㌶。昨年秋から始まった社宅等の解体はほぼ終了し、現在はその広大な敷地が駅からも見渡せる。取得対象としているのは、スポーツクラブがあった北東部分の4000㎡。区は価格、時期、条件など折り合えば取得するとしている。
 現在の所有者はJTとUR都市機構だが、まちづくりを考慮した土地活用を進めるべく、区がJT側に協力を要請。住民代表による北千住駅東口周辺地区まちづくり連絡会(岩城武会長)と区の間で意見を交わし、2年以上前から協議を重ねてきた。
 区は、敷地内に都市計画道路や広場設置などのほか、周辺環境やまちの活性化を考慮した計画案を提示してきた。が、全敷地が民間に売却される予定のため、積極的に関与しにくい状態が続いていた。住民からは地域の意見が反映されないのでは、との不安の声があった。取得が実現すれば、地域の声を生かしつつ、区主導による賑わい施設の誘致が期待できる。
 住民からの跡地利用案は総合病院を希望する声も多かったが、地域医療圏ごとのベッド数を定める法律により、実現は不可能だ。まちづくり連絡会では意見を取りまとめ、最も希望の多かったホテル誘致の陳情書を提出。先の第1回区議会定例会で、継続審査の議決がされた。
 北千住駅は1日の乗降客163万人を抱えるターミナル駅でありながら、来訪者が宿泊できる施設がない。区民のパーティー用ホールも、区外のホテルに頼っているのが現状だ。まちづくり連絡会は、押上にできる新東京タワーも視野に入れ、集客力に期待。ホテル誘致が区民の利便性と、足立区の活性化に大きな役割を果たすとして、強く求めていく。