足立朝日

「容市樹舞踊会」「春の舞踊まつり」 大盛況で終了

掲載:2024年5月5日号
 千住で250年の歴史をもつ名倉医院。その流れをくむ千住名倉 諸接骨院(竹の塚1‐35‐9)の中村賴子院長が、娘の中村由佳さんと共に、仙田容市樹、仙田佳南女として日本舞踊界でも活躍中だ。
【第十七回容市樹舞踊会】(主催=仙田容市樹・仙田佳南女/3月31日・浅草公会堂)
 各番組の華麗な舞と共に展開される江戸の音曲のひとつ・長唄や、三味線を伴奏に物語を節で語る浄瑠璃のひとつ・清元、浄瑠璃の流れをくむ語り物・常磐津の唄と語り、そして四拍子(笛、大鼓、小鼓、太鼓)の囃子が舞台を最高潮に演出。無形文化財保持者3人も演奏に加わり、圧巻の音色を奏でた。
 長唄「藤娘」では、舞台いっぱいに藤がダイナミックに枝垂れ咲き、長唄「鷺娘」では、後見が衣裳の早替わりを見事に補佐。絢爛豪華な衣裳も相まって、どの舞もまるで歌舞伎を見ているような豪華さを誇った。
 最後に容市樹さんと佳南女さんが、長唄「時雨西行」で母娘共演。西行と江口の君の情趣、西行の心に写る菩薩と遊女の踊り分けが見事な舞台となった。
【第37回春の舞踊まつり】(主催=竹の塚舞踊愛好会・中村賴子会長/4月13日・竹の塚地域学習センターホール)
 古典舞踊から新舞踊まで流派を問わず、舞踊を通して地域社会の発展に寄与することを目的として活動してきた同会は、文化庁事業「伝統文化親子教室」にも携わり、日本文化の伝承に貢献。それらの活動が文化庁に認められ、3500団体の中から十年継続優良団体として選出された。
 これらの実績をもって開催された舞踊まつりは、小学生対象の「もも組」から高齢者まで、思い思いの舞を披露し、拍手喝采と掛け声を浴びた。
 フィナーレでは、竹の塚舞踊愛好会・容市樹会・伝統文化親子教室の3団体が「さくらさくら」を披露。
 中村会長は「50回・60回と続くことを目標に、現役員が伝統文化の日本舞踊を次の継承者たちに繋げることが出来るのを、40回の記念の会と定めて頑張っていきたい」と抱負を語る。

写真上/母娘共演「時雨西行」の一場面
下/3団体でフィナーレ