足立朝日

生徒の意見を未来へつなぐ 「あだち中学生会議」開催

掲載:2024年11月5日号
 未来の学びについて、当事者である中学生たちで語り合う――。そんなユニークな試み、「あだち中学生会議」が10月14日(月・祝)、こども支援センターげんき(梅島3‐28‐8)で開催された。5年ごとに見直される区の教育計画「足立区教育振興ビジョン」の次期令和7年度に向けて、子どもたちの意見を反映させようと初めて企画。区立の35校の生徒会から1人ずつ計35人が出席。5班に分かれてそれぞれに教育長と教育委員1人が入り、意見交換を行った。
 自由に発言できるように私服参加で、テーブルには菓子を用意。リラックスした雰囲気の中、生徒らは初対面とは思えないほど打ち解けた様子で意見を出し合った。
 テーマは「学習の進め方」「居心地のよい学校」の2本。「学習の進め方」について各班でほぼ共通したのが、グループ学習の有効性だった。みんなで話し合うことで理解が進む、体育ではアドバイスし合えるなど。4択やクイズを作れるアプリ「カフート」の活用や、意外にも「先生が話す豆知識やオヤジギャグで覚えた」という声もあった。
 「居心地」については、教師との信頼関係の大切さ、根拠不明の校則への不満、設備の古さやトイレの臭いの問題が共通していたほか、心理士をもっと活用できたら、先生との交流の場がほしいなど。中には「不機嫌な先生がリフレッシュできる場所を」といった意見もあり、教育委員にも学びのある時間となった。
 終了後、生徒たちは「生徒会同士、同じ悩みがあるのがわかった」「自分たちの悩みに気付けた」「勉強になった」と充実した笑顔。「他校の生徒会と交流したい」という声も聞かれた。この日の生の声が教育現場にどのように反映され未来に生かされるかは、区と教育委員に委ねられた。

写真/他校の話に共感したり驚いたり、交流を楽しんだ