足立朝日

Vol.44 立川吉笑 ワンダー落語ランド

掲載:2024年11月5日号
擬古典の名手 アイリスホールに参上

 春風亭昇々・瀧川鯉八・玉川太福が所属する創作話芸ユニット「ソーゾーシー」のメンバーとして、この8月、かめあり亭第77弾「ソーゾーシーTOUR2024~東京公演~」に出演し、観客を笑いの渦に巻き込んだ立川吉笑!
 その吉笑が12月、かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホールに参上!「立川吉笑 ワンダー落語ランド」と銘打って、古典落語ネタおろしから奇想天外な新作落語まで、まさしく不思議な国の極上の笑いを贈る。
 京都市出身の吉笑は、偏差値73の京都市立堀川高等学校自然探究科を卒業後、京都教育大学教育学部数学科教育専攻へ進学。中学時代はオール5の秀才であったが、高校進学と同時に、密かに温めていた「お笑い」へ路線変更。深夜までラジオを聴きあさったことで当然ながら寝坊するようになり、無遅刻無欠席の勲章を捨て去った。それでも国立大学に進学するという頭脳明晰さを誇ったが、惜しげもなく中退し、お笑いの世界へ。上京後、立川志の輔のCDを聴き、初めて落語に目覚めたという。寄席通いをするうちに立川談笑の光り輝く笑顔と話芸にハートを射抜かれ、「この人にならば自分の人生を預けられる」と、2010年に談笑の一番弟子として入門。
 それからがすごい。わずか1年5カ月のスピードで二ツ目に昇進を果たした。2021年、渋谷らくご大賞・渋谷らくご創作大賞をW受賞。2022年、落語立川流としては17年ぶりとなるNHK新人落語大賞を50点満点で受賞! さらに今年、公推協杯全国若手落語家選手権で優勝に輝いた。
 吉笑落語はかなりユニークだ。古典落語的な世界観の中で、現代的なコントやギャグ漫画に近い笑いの感覚を表現する「擬古典」という手法で、八っつぁん・熊さんをも現代風にアレンジする。
 論理的な思考能力をさり気なく発揮し、「中央公論」での「炎上するまくら」、「note」での「立川吉笑ウェブ書斎『羅房』」など、執筆業にも積極的に取り組んでいる。主な著作に「現在落語論」(毎日新聞出版)。明日11月6日(水)には、伝統と革新が響き合う初CD集「落語傑作選 2010‐2024」を発売!
【日時】12月14日(土)午後1時30分【料金】3000円、会員料金あり/未就学児入場不可【チケット】TEL5670・2233