足立朝日

首都圏アイヌ文化祭大盛況

掲載:2008年6月20日号
◆◇アイヌ オカイ アン ワ!
首都圏アイヌ文化祭大盛況



文化祭で座り歌を披露するアイヌウタリ連絡会の人たち
 アイヌウタリ連絡会(丸子美記子代表)主催の「首都圏アイヌ民族文化祭」が6月8日、シアター1010で開かれ600人以上が訪れた。 連絡会は、主に首都圏で活動している関東ウタリ会、東京アイヌ協会、ペウレ・ウタリの会、レラの会の4団体と、それらに属さないアイヌの人たちのため96年に設立。
  江戸時代から続く差別や、北海道以外に住むアイヌの存在を広く知らせようと、活動している。今年、アイヌの権利回復と先住民族としての認知を求める署名、国会への請願など積極的に展開してきた。
  「無知から始まる差別をなくすために、言葉や文化の違いを知ってほしい」。イベント名の「アイヌ オカイ アン ワ!(先住民族アイヌはここにいるよ)」に、その想いを込めた。
  主催者たちは民族衣装で参加。荒川河川敷虹の広場でカムイノミ(神への祈り)を行った後シアター1010で、講演、歌、トンコリ(アイヌの五弦楽器)の演奏などを披露した。
  6日に、衆参両院で「アイヌ民族を先住民族と認める決議」が採択された直後とあって、講演はそれに触れる内容となった。
 丸子代表は「私たちは普段は日本語のうまい外国人という扱い。衆参両院で決議されたことには感動したが、期待と不満の両方ある」と複雑な心境を語り、長谷川修事務局長は「国会決議文は納得がいかない。謝罪がない。誰が悪いのか一緒に考えて欲しい」と訴えた。
  パネルディスカッションでは首都圏アイヌ研究者と写真家も交え、各自の想いや取り組みなどが語られた。