足立朝日

斉藤善久氏講演 青少年委員会

掲載:2008年7月5日号
◆◇豊かな心のもと五感を育てる
斉藤善久氏講演 青少年委員会

 「青少年委員会第13ブロック教育懇談会」が6月24日に古千谷小学校(大澤重市校長)で行われ、本紙の「ピープル」にも掲載した斉藤善久(ぜんきゅう)さんが「豊かな心のもと―五感を育てよう」というテーマで講演した。
 善久さんは頭脳を「大福」に例え、常識・世間体・しがらみ・知識や様々な体験などで大福(頭)の皮が厚くなってしまい、あんこ(脳)までの隔たりができ、多様な物の見方がしずらくなる。善久さんの言うところの「視点の移動」がしずらくなると説く。
  大学の講師もしており、生徒から「ビー玉はどうしてビー玉というの?」という質問を受け、ビー玉の語源の由来を調べた善久さん。A玉の存在を知り、ビー玉はB級品という事実が判明。
  そこで教諭から「不良品を買っていたわけだ!」と、声が飛ぶと善久さんは「不良品も商品として使い道があったわけです。これが視点の移動です」と答えた。
 関東の子どもに「雪が溶けたら何になる?」と聞くと「水になる」、東北の子どもは「春になる」と答えた。「水になる」はマジメな答え、「春になる」は非マジメな答え。「非マジメに考えると面白いですよ」という善久さんの話に、教員から「面白いね~、勉強になるね」との声が聞こえた。
  「人は十人十色。感性を学生に教えるのは難しい。知識を与えるのではなく、自分が知っている良いサンプルを見せて、感じてもらう授業をしています」と善久さん。
  不動産会社のミサワホームのカレンダーを持ってきた。一見、なんのへんてつもないカレンダー。
 竹久夢二やアンネ・フランク、アイン・シュタインなど、世界の偉人が書いた数字が転載されており、余白にはサインが記されている。同社が「天才が住んでいた家はどんな家か」を調査したところ、共通項は「天井が高い家」に住んでいたことだったそうだ。
 講演会に参加した教諭は、「ミサワホームのカレンダーを自分も持っていて、善久さんのお話を聞いて大ショックです。価値がわからないということは恐ろしい。子どもの落書きに使うところでした。」と驚きの感想を述べた。笑いと関心を集めた、講演会となった。


世界の偉人が書いた数字を転写したカレンダー