今、足立区立郷土博物館の浮世絵コレクションが国内外から注目を集めている。歌川広重や葛飾北斎、小原古邨など作品が豊富で、北斎館(長野県小布施
町市山町)で「東京・足立区立郷土博物館所蔵浮世絵名品展」が開かれていることは前号で紹介した通り。
5月30日からは、台湾にも貸し出している。国立故宮博物院南部院区(嘉義県太保市)で8月31日(日)まで開催されている「江戸浮世絵の美展」。故宮博物館と言えば翡翠彫刻の白菜がある台北の北院が有名だが、そちらが中華文化メインなのに対し、南院は海外から借りた作品も紹介する「アジア芸術文化博物館」として2015年にオープン。
今回の貸し出しは、故宮博物院の研究員が浮世絵展の企画段階でまとまった数の浮世絵コレクションを調べたところ、以前、日本の浮世絵調査で耳にしていた郷博のコレクションに偶然行き当たり、依頼があったという。
郷博では過去にもフランス・パリから「竹沢藤次 独楽の化け物」(歌川国芳)の協力依頼を受けたことがある。独楽回しの名手・竹沢藤次を題材に描いた作品で、世界に数点しか現存しない。現在は北斎館に貸出中で、先述の郷博の「浮世絵名品展」第3期(8月2日~31日)に展示される。
なお、北斎館では7月20日(日)午後1時30分、郷博の学芸員・小林優さんによる「博物館のコレクションや浮世絵についての講演会」もある。
写真上/台湾に貸出中の「名所江戸百景
水道橋駿河台」歌川広重(写真はともに
郷土博物館提供)
下/北斎館(長野県小布施町市山町)に
貸出中の「竹沢藤次 独楽の化物」歌川国芳

5月30日からは、台湾にも貸し出している。国立故宮博物院南部院区(嘉義県太保市)で8月31日(日)まで開催されている「江戸浮世絵の美展」。故宮博物館と言えば翡翠彫刻の白菜がある台北の北院が有名だが、そちらが中華文化メインなのに対し、南院は海外から借りた作品も紹介する「アジア芸術文化博物館」として2015年にオープン。
今回の貸し出しは、故宮博物院の研究員が浮世絵展の企画段階でまとまった数の浮世絵コレクションを調べたところ、以前、日本の浮世絵調査で耳にしていた郷博のコレクションに偶然行き当たり、依頼があったという。

なお、北斎館では7月20日(日)午後1時30分、郷博の学芸員・小林優さんによる「博物館のコレクションや浮世絵についての講演会」もある。
写真上/台湾に貸出中の「名所江戸百景
水道橋駿河台」歌川広重(写真はともに
郷土博物館提供)
下/北斎館(長野県小布施町市山町)に
貸出中の「竹沢藤次 独楽の化物」歌川国芳