心臓病児を授かり視野を広げて活動
かつて足立区教育委員会初の女性教育長として活躍し、勇退後は東京未来大学教授、同こどもみらい園園長、みらいフリースクール長として教育現場に身を置いた斉藤幸枝さん――。
現在は「難病者の社会参加を考える研究会」参与・委員として活動中だ。
製薬会社の臨床検査技師だった斉藤さんは、足立区役所職員として入職。子育て中に、心臓に障害がある一人息子が国立病院で手術を受けたが、基準看護を返上してい
たため、自身が病室に寝泊まりして、職場へ直行する生活を送った。しかし、その過酷さを「大変」で終わらせず、自身の糧とするのが斉藤さんだ。「医療費は公費負担である小児慢性特定疾病と育成医療によりほとんど要しないなど、心臓病児を授かっていなければ知りえなかった多くのことを学んだ」と話す。現在、息子は医師として活躍中。
患者会にも参加し、入園・入学に難色を示された例、医師の診断書があっても学校行事への参加が難しいなどの例を聴き、行政で働く自分のすべきことは何かを常に考えた。患者会では会長を12年努め、様々なイベントを企画運営。東京都への交渉術は仕事上にも役立った。
会長引退後は、一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会の役員として、国の委員会・会合に出席。「多くの難病患者や国の行政機関の職員などと知り合うことで視野が広がった」という。
日本には医療費の助成対象になる難病の要件に該当する指定難病者が約100万人、該当しない難病者を含めると約700万人の難病者がいると言われている。症状に波がある人が多く、決められた働き方は持続が困難で、離職や就職をあきらめる割合が多い。
「難病者の社会参加を考える研究会」では、テレワーク、ショートタイムワーク、短時間勤務制度の対象者の拡大を求め、難病者の就労実態をまとめた「難病者の社会参加白書」を作成。現在はその第2弾を計画中だ。「難病者の『働く』は、社会の働き方を変えると信じて、困難を希望に変えていきたい」と、斉藤さんは真っ直ぐな目線で今と未来を見つめている。
かつて足立区教育委員会初の女性教育長として活躍し、勇退後は東京未来大学教授、同こどもみらい園園長、みらいフリースクール長として教育現場に身を置いた斉藤幸枝さん――。
現在は「難病者の社会参加を考える研究会」参与・委員として活動中だ。
製薬会社の臨床検査技師だった斉藤さんは、足立区役所職員として入職。子育て中に、心臓に障害がある一人息子が国立病院で手術を受けたが、基準看護を返上してい

患者会にも参加し、入園・入学に難色を示された例、医師の診断書があっても学校行事への参加が難しいなどの例を聴き、行政で働く自分のすべきことは何かを常に考えた。患者会では会長を12年努め、様々なイベントを企画運営。東京都への交渉術は仕事上にも役立った。
会長引退後は、一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会の役員として、国の委員会・会合に出席。「多くの難病患者や国の行政機関の職員などと知り合うことで視野が広がった」という。
日本には医療費の助成対象になる難病の要件に該当する指定難病者が約100万人、該当しない難病者を含めると約700万人の難病者がいると言われている。症状に波がある人が多く、決められた働き方は持続が困難で、離職や就職をあきらめる割合が多い。
「難病者の社会参加を考える研究会」では、テレワーク、ショートタイムワーク、短時間勤務制度の対象者の拡大を求め、難病者の就労実態をまとめた「難病者の社会参加白書」を作成。現在はその第2弾を計画中だ。「難病者の『働く』は、社会の働き方を変えると信じて、困難を希望に変えていきたい」と、斉藤さんは真っ直ぐな目線で今と未来を見つめている。