足立朝日

魅力的なヒーロー像「鬼平」学ぶ 楽学の会主催

掲載:2008年8月5日号
◆◇魅力的なヒーロー像「鬼平」学ぶ
元朝日新聞記者・佐々木講師
楽学(がくがく)の会主催

 池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』の主人公として知られる長谷川平蔵の実像を学ぶ講座(全4回)が、6月28日から学びピアで開かれた。最終日は深川での現地学習。
 「あだち区民大学塾講座」の1つで、NPO法人あだち学習支援ボランティア「楽学(がくがく)の会」(早坂津夜子代表)と(財)区生涯学習振興公社主催。講師は元朝日新聞社会部記者で、ジャーナリスト、獨協医大講師の佐々木明氏。
  長谷川平蔵の実像は、意外と知られていない。平蔵は世襲制で4人おり、「鬼平」は2代目の宣以(のぶため)。
  飢饉や噴火などで最も世情不安定な江戸後期に、激務の火盗改メ方長官を8年務めた。凶悪犯を捕える一方で、世界に先駆けて軽犯罪者を社会復帰させる機能としての、人足寄場(府中刑務所の前身)を作るなど、功績は大きい。
 記者時代に実在を知って以来、10年以上研究してきた佐々木氏は「実在の人物なので説得力がある。調べれば調べるほど、強くてやさしくてかっこいい。下町を中心に活躍した人なので、下町の人に多く知ってもらいたい」と語る。
  扱った207件に冤罪は1つもなく、拷問や斬り合いもなかったという。受講者たちは今の時代にも魅力的なヒーロー像に、熱心に聞き入っていた。
  今回希望者が定員の倍近くあったため、秋に同じ内容で再度講座を開く。問合せTEL5813・3759


平蔵の魅力的な実像を語る佐々木氏