北千住駅東口駅前の都市計画・再開発事業の説明会が、10月17日と19日に千寿常東小学校体育館で開かれた。
今年3月、千住旭町地区まちづくり計画が変更。東西の回遊性を高め、駅前にオープンスペースを設けることで、地域全体に賑わいを波及させる計画となっている。また、再開発事業区域の用途地域を「近隣商業地域」から「商業地域に」、容積率の限度を300%から400%に変更する。
再開発事業は、施行区域面積約0・6ha、敷地面積約4800㎡、建築面積約3000㎡、延べ面積約4万4900㎡。地下1階、地上29階、高さ約123mで、1~4階は商業・子育て支援施設、5~9階はホテル、10~29階は住宅(住戸数は250~300)、地下に駐車場。北千住駅3階と直結するデッキを設け、水害時には垂直避難場所となる。
線路と並行に伸びる学園西通りに面した部分は、壁面を後退させて幅約7mの歩行者空間を作り、1階には向かいの既存商店街に合わせて路面型店舗を配置。建物南側には広場空間を設ける。
17日の質疑応答では、千住の保育所が定員割れしている現状から、子育て支援施設の必要性の有無、大地震時の高層ビル長周期地震動への対策などの質問があった。イベント広場についての質問には、一般有志の利用は考えていないとの回答だった。
また、再開発区域で現在営業している店舗、居住者については「権利者の営業、居住を継続することが可能」とコンサルタントから説明があったが、銭湯を含む店舗の存続について、区は「再開発準備組合に任せている」と回答、進展がないことがわかった。
◆再開発についてまちの声は
まちの変化を歓迎する声としては、駅前の朝夕の混雑解消や新たな商業施設への期待などがある。西口が多くの若者を呼び寄せているのに対し、東口が商業的な盛り上がりに欠けるのは確かだ。「災害時の備蓄や避難場所があるのは、いいこと」(40代男性)、「変化は必要。東口は地味なので、活気が出ると思う」(60代女性)など。
一方で、千住地域で次々に建設される超高層ビルの必要性の有無、地価・家賃の高騰への不安、将来的な人口減少による高層住宅の空洞化や風害、日照への懸念なども聞かれる。
●銭湯はどうなる?
区外から高層ビルに転居してくる人たちが、人情の残る千住のまちや住民と、良い関係を築いてくれるかどうかの課題もある。数年前に千住エリアの高層住宅に越してきたという子育て中の30代女性は、「地元の人と新しい住民が自然に交えるのが銭湯。梅の湯はその役割を担う場所になれるのでは」と話す。
東京都は宮造りの「東京型銭湯」を観光・文化資源として発信、足立区もプロモーション「ととなう、千住。」で、千住の大きな魅力としている。銭湯を中心としたまちづくりを進めている地域もあり、昨年、表参道にオープンした東急プラザ原宿「ハラカド」に新設された町銭湯は、連日の混雑が話題となっている。
「どこにでもある駅前になってしまうのはつまらない。今あるまちの資源を生かした、まちづくりの方向性もあるはず」(40代女性)という地元の声があることも無視できない。
区では今後、12月頃に都市計画原案の説明会を開催し、都市計画原案と都市計画案の広告・縦覧・意見書の受付後、足立区都市計画審議会、東京都都市計画審議会を経て、令和8年度上半期に都市計画決定を予定している。
写真/完成イメージ図(足立区)
今年3月、千住旭町地区まちづくり計画が変更。東西の回遊性を高め、駅前にオープンスペースを設けることで、地域全体に賑わいを波及させる計画となっている。また、再開発事業区域の用途地域を「近隣商業地域」から「商業地域に」、容積率の限度を300%から400%に変更する。
再開発事業は、施行区域面積約0・6ha、敷地面積約4800㎡、建築面積約3000㎡、延べ面積約4万4900㎡。地下1階、地上29階、高さ約123mで、1~4階は商業・子育て支援施設、5~9階はホテル、10~29階は住宅(住戸数は250~300)、地下に駐車場。北千住駅3階と直結するデッキを設け、水害時には垂直避難場所となる。線路と並行に伸びる学園西通りに面した部分は、壁面を後退させて幅約7mの歩行者空間を作り、1階には向かいの既存商店街に合わせて路面型店舗を配置。建物南側には広場空間を設ける。
17日の質疑応答では、千住の保育所が定員割れしている現状から、子育て支援施設の必要性の有無、大地震時の高層ビル長周期地震動への対策などの質問があった。イベント広場についての質問には、一般有志の利用は考えていないとの回答だった。
また、再開発区域で現在営業している店舗、居住者については「権利者の営業、居住を継続することが可能」とコンサルタントから説明があったが、銭湯を含む店舗の存続について、区は「再開発準備組合に任せている」と回答、進展がないことがわかった。
◆再開発についてまちの声は
まちの変化を歓迎する声としては、駅前の朝夕の混雑解消や新たな商業施設への期待などがある。西口が多くの若者を呼び寄せているのに対し、東口が商業的な盛り上がりに欠けるのは確かだ。「災害時の備蓄や避難場所があるのは、いいこと」(40代男性)、「変化は必要。東口は地味なので、活気が出ると思う」(60代女性)など。
一方で、千住地域で次々に建設される超高層ビルの必要性の有無、地価・家賃の高騰への不安、将来的な人口減少による高層住宅の空洞化や風害、日照への懸念なども聞かれる。
●銭湯はどうなる?
区外から高層ビルに転居してくる人たちが、人情の残る千住のまちや住民と、良い関係を築いてくれるかどうかの課題もある。数年前に千住エリアの高層住宅に越してきたという子育て中の30代女性は、「地元の人と新しい住民が自然に交えるのが銭湯。梅の湯はその役割を担う場所になれるのでは」と話す。
東京都は宮造りの「東京型銭湯」を観光・文化資源として発信、足立区もプロモーション「ととなう、千住。」で、千住の大きな魅力としている。銭湯を中心としたまちづくりを進めている地域もあり、昨年、表参道にオープンした東急プラザ原宿「ハラカド」に新設された町銭湯は、連日の混雑が話題となっている。
「どこにでもある駅前になってしまうのはつまらない。今あるまちの資源を生かした、まちづくりの方向性もあるはず」(40代女性)という地元の声があることも無視できない。
区では今後、12月頃に都市計画原案の説明会を開催し、都市計画原案と都市計画案の広告・縦覧・意見書の受付後、足立区都市計画審議会、東京都都市計画審議会を経て、令和8年度上半期に都市計画決定を予定している。
写真/完成イメージ図(足立区)











