足立朝日

羅針盤 VOL.170

掲載:2025年11月5日号
 10月に入ってからずっと、雨やどんよりした曇り空が続き、気分はパッとしない。秋は、青空が一番似合う季節なのに……。
 それに、ここへ来て「〇〇ファースト」のどこかの国の大統領がやたらとTVに顔を出していたのも、気分のいいものではなかった。「50%の関税をかけるぞ」「ガザを南仏のようなリゾート地にしたい」など、好き勝手を言ってはばからない「王様」なのに、みんなが気を使い、言いたいことを言わずに「歓迎!」一色だったのは、何か変だ。
 そして、もっと身近で大変なのは凶暴な熊の出没だ。東北、北海道を中心に、熊たちは完全に森を出た。居住地近くの畑を荒らして果実をもぎとり、家畜や遭遇した人間たちに襲い掛かっている。
 熊の生息地の森には、今年は異常気候の影響か、食料になるブナやミズナラの実がほとんどなく、生き延びるためにどんどん人里に降りて来ているという説や熊の個体数増加が原因との説もある。
 異常気象、気候変動はもはや人間の問題。自然や動物を愛するがゆえに、「人里に熊出没」の異常を捉え直したいものである。   (よ)