足立朝日

小学生で英検1級と準2級の兄妹 石倉 大河 さん(10)・澪 さん(8) 区内在住

掲載:2025年11月5日号
米国生活の努力 磨き続ける日々

 2023年11月、英語教員でも難しいとされる実用英語技能検定(英検)1級に、わずか8歳にして合格した石倉大河さん。現在は小学5年生(10)で、幼い頃からの夢である「宇宙飛行士」を目指して、さらに勉学に励んでいる。当時から熱心に読んでいる洋書の図鑑をはじめ、英検1級に相当する英単語本や電子辞書に目を通すことは、もはや当たり前の習慣。抜群の記憶力を駆使し、国際知識検定国旗1級にも合格した。目下力を入れているのは実用数学技能検定(数検)2級と、実用フランス語技能検定(仏検)3級への挑戦だ。
 その兄に続くのは、小学2年生の妹・澪さん。兄と同じく英単語本と電子辞書を最大利用し、7歳で英検準2級に合格した。8歳を迎えた今は、さらに英検2級を目指して勉強中だが、発音記号を理解しているため、読めない英単語もすぐに習得。フレーズ(句)と併せて記憶するため、日ごとに実力アップ。
 将来の夢は、英語を駆使して「世界のアイドルになる」こと。キラキラと輝く笑顔と、得意な器械体操で鍛えた柔軟性が実に見事だ。兄妹は空手の鍛錬も欠かさない。
 父の広志さん(47)の仕事の関係で2020年に一家で渡米し、大河さんは5歳から、澪さんは2歳からの3年間を現地で暮らした。澪さんは、日本でいう幼稚園の前段階のプリスクールと、幼稚園に匹敵するキンダーガーテンでの合計1年半を現地の幼児と過ごし、英語の環境に馴染んでいった。物怖じしない兄妹は、すっと大人の会話に入る力があり、特に大河さんは、現地の多くの住民と顔なじみで、「こちらは父です」と広志さんを紹介することもあった。
 帰国後、英検1級を目指した時期、辛くなると大河さんは「何のために英語を学ぶのか」を自問自答し、都度「宇宙飛行士になる夢」を再確認したという。今でも2人の英語に対するモチベーションは少しも変わらない。例えばドライブ中のコミュニケーション手段として、一般的には「しりとり」を楽しむ例が多いが、2人の場合は「ディベート」を展開。あるテーマに関して、賛成と反対に分かれて議論を交わし、相手を説得させる手法だが、それを小学生が「英語」で行うのだから驚きだ。時には決着がつかず、広志さんがジャッジすることもあるという。
 ここで特筆したいのは石倉家の教育方針だ。まずは帰国後の学校選びについて、2人の個性を尊重し、大河さんは授業の多くを英語で行いフランス語も学べる暁星国際流山小学校へ編入。澪さんは近くの加平小学校に入学し、来年から始まる英語の授業を心待ちしている。広志さんは「子どもたちが本気でやりたいと言うことは自由に挑戦させ、サポートを惜しまない。人生、一生勉強」と話す。看護師資格を持つ母の恭子さん(44)は、「遊ぶことも大切。学びを楽しんでほしい」と望み、家族の心身のサポートに徹する。両親の思いを受け、大河さんは「辛くても決して諦めないこと。いつかは楽しめる」と読者にメッセージ。
 子どもの成長は、まさに「親の映し鏡」であり、「家族の歴史」なのだ。