足立朝日

音楽でめぐるモンゴルの旅 10月12日(日)竹の塚区民ホール

掲載:2008年9月5日号


◆◇内モンゴルに学校建設 チャリティーコンサート

 中国内モンゴル出身の歌手、ボルジギン・イリナさんは、仙台を中心に全国で活動し、同国の学校建設や教育支援を行っている。10月12日(日)は、竹の塚区民ホールで「音楽でめぐるモンゴルの旅」(主催=中国内モンゴルの子どもたちに学校をつくる会・三橋志主子東京代表、後援=足立区教育委員会、足立朝日、区演劇連盟ほか)のチャリティーコンサートが開かれる。



素晴らしいオルティン・ドを聞かせてくれるイリナさん

イリナさんは、7歳から歌と踊りを学び、内モンゴル芸術大学で声楽を専攻。モンゴルの代表的な文化で、独特の歌い方をするオルティン・ドが専門。高い声で長くゆっくり自由に伸ばして歌う。
 2000年に来日し、宮城教育大学で学び、小学校と幼稚園の教員免許を取得した。日本で何より素晴らしいと思ったのは「日本の子どもたちが伸び伸びと楽しく勉強している姿」だった。
中国内モンゴルでは貧しさのため充分な教育を受けられない子どもたちがたくさんいるため、「自分に何かできることはないか」と考え、在学中から積極的にチャリティーコンサートを行い、教科書を送ってきた。
 コンサートなどの収益を現地に届けるうちに、傷みが激しい校舎の多い状況を見、子どもたちがいきいきと学べる校舎を建設したいという思いを強くした。
在学していた宮城県仙台市を中心に県内各地でコンサートを開いたり、寄付金を募ったりして450万円を集めた。建設費は890万。残りは中国政府が出し、06年8月に幼稚園と小学校が一体の「イリナ希望学校・中心幼稚園」を建設した。
 朝青龍関の故郷の外モンゴルと呼ばれるモンゴル国に対し、内モンゴルは中国の北部に位置する「内モンゴル自治区」のこと。学校も通学できる子は少なく、寮に入って学ぶ子がほとんどだ。
 草原で暮らす遊牧民は砂漠化や、大寒波の影響で生活が厳しくなり、2割が学費を払えず4割が教科書を買えないという。日本円約500円で子ども1人の1年間の教科書、約3000円で1人の学費が賄える。
 イリナさんは「日本で良き出会いに恵まれ、多くの方に助けていただき、学校が建設できた」という。今後も草原の子どもたちが、いきいきと学べる学校を作っていきたいと活動している。
 東京代表の三橋志主子さんは足立区を中心に学校や老人施設などで、幅広く朗読の活動をし感動を与えている。今回は歌、踊り、三橋さんの朗読など満載のコンサートだ。


朗読する東京代表の三橋さん

【日時】10月12日(日)午後2時半開場、3時開演
【出演者】ボルジギン・イリナ、包興安(馬頭琴)、タラー(古筝)、渡邊靭子(ピアノ)、ウリナ(踊り)、藤枝貴子(アルパ)、女声合唱団文教、三橋志主子(朗読)。
【問合せ】チケット 前売り2500円(当日2800円)、Tel・FAX3886・1177三橋


06年に開校した草原の中のイリナ希望学校・中心幼稚園