足立朝日

羅針盤 VOL.171

掲載:2025年12月5日号
 小生が一番嫌いな12月である。「今年も終わる」という切迫感が好きでない。
 大変な年であった。世界はトランプ、プーチン、ネタニヤフという「正義と道理が引っこむ」3悪人のせいで相当悪くなった。
 身近では、世の中の動きについて行くのが大変だ。朝、あるコンビニで買い物をしてポイントカードを出したら「これ、アプリに変わったんです」と言われ、「はあ!?」と言ってカードを引っ込めた。余り使わないコンビニだったので、アプリのダウンロードはしていなかった。
 どこへ行っても「アプリ」「アプリ」である。「アプリ」とは、IT(インフォメーションテクノロジー)の目次のようなもので、ここから会社や店を調べたり、商品を見たり買ったりする。だが、ITと縁のない(薄い)お年寄りなどは毎日、あちこちで置いてけぼりだ。「(買い物品を自分で計算する)セルフレジに並ぶたびにドキドキする」と笑わせる落語家がいる昨今、神経をすり減らす毎日ではたまらない。
 新しいものに慣れよ、とだけ叫ぶ世の中にはしたくはない来年である。 (よ)