足立朝日

◆「ＡＥＤ」の使い方や注意点学ぶ
もしその場に遭遇したら
９月９日救急の日に先がけ

　外出中に心肺停止に陥った時、命を救ってくれるであろうＡＥＤ（自動体外式除細動器）。設置が進み、各所で見かけるようになったが、いざ自分がその場面に遭遇したら使えるだろうかと、不安に思っている人も多いはず。
　 ９月９日は救急の日。７月に千寿常東小学校で行われたＡＥＤ講習会(体育指導員主催)を元に、使い方や注意点を紹介しよう。
　 この日指導にあたったのは千住消防署旭町出張所（秋松勇所長）と千住消防団第２分団の所員と団員６人。地元の約30人が受講した。
　 参加者の一人、柳原在住の石井綾路さんは「救命講習は15年前に受けたが、ＡＥＤは初。やってみてよかった。１回やっておけば違う」と手応えを語った。
【倒れている人を見つけたら】
①まず発見者は周囲の人に、１１９番通報とＡＥＤを設置場所から持ってくるよう指示を出す。この場合、漠然と頼むのではなく、相手を決めて指示することが大事。
②意識、呼吸、心拍の有無の確認後、人工呼吸と心臓マッサージを行うが、血が出ている場合は胸骨の圧迫のみにする。


指導を受けながら、ＡＥＤのパッドを貼る

【ＡＥＤの使い方】
　 使い方は全てＡＥＤのセットに、絵で説明されている。
　 ＡＥＤは心室細動を除去する装置なので、全ての心肺停止に有効なわけではないが、それは機械が判断してくれるので大丈夫。とにかく電源を入れて、機械の音声に従うこと。

▼パッドの貼り方
　 パッドは２枚１組。貼る際は、肌にしっかり密着させることが大事だ。粘着力が強いので、１枚ずつシートをはがして貼る。
①水や汗で濡れていると、電気がうまく伝わらないので拭き取る。プールサイドなど下が濡れている場合は、救助者も通電してしまうので乾いた場所に移動させること。
②ペースメーカーが入っている場合は、３㎝離して貼る。左胸に入っていて、見ればわかる。
③アクセサリーなど金属類は火傷するのでなるべく離す。女性でブラジャーの金具がある場合は、たくし上げてパッドに触れないように。
④胸毛も火傷や通電の妨げの原因となる。かみそりで悠長に剃るのは不可能なので、予備のパッドを貼り付けて、ベリッと一気に脱毛してしまう。痛そうだが、本人は意識がないので、遠慮は無用。
⑤子どもの場合、パッド同士が接触してしまうので、背中に貼って心臓を挟む。ちなみに乳児には使えない。

▼通電後の処置
　 心臓マッサージを行う。この場合パッドは貼ったまま。２分ぐらいやると機械が自動的に計測してくれる。
救急隊が来るまで基本的には続ける。中断してもいいのは、患者が目的のある仕草をした場合のみ。除細動をかけた回数を覚えておいて、救急隊員に伝えよう。
　ＡＥＤは駅や大型店舗、パチンコ店などに設置されている。また今秋、区内商連加盟の商店街に設置される予定。


自販機に設置されているＡＥＤ