足立朝日

北千住駅東口再開発 税金100円億投入 街と暮らしの未来は?

掲載:2026年1月5日号
 区が検討を進めている北千住駅東口の再開発。昨年12月5日・7日に千寿常東小学校体育館で、「千住旭町地区都市計画(原案)説明会」が行われた。
 内容は「都市計画決定・変更の背景」「再開発事業に関わる都市計画」「施行区域内にかかる制限」などで、10月の再開発事業説明会と重複するものもあった。
 再開発地域は駅を背にした左側で、面積は0・6ha。都市計画の位置づけを「賑わい拠点地区」に変更し、住宅と商業が共存する複合拠点として、東口周辺地区に賑わいを誘導するとしている。
 質疑応答では、地元住民から様々な質問や意見が出た。これまでは132mの高層建築の必要性を問う声が多かったが、さらに踏み込んだ生活への影響に関するものが目立った。
 <地価上昇>については、大きな変化はないとの回答だったが、昨年の北千住駅周辺の地価は平均118万1421万円/㎡で前年比+10・99%と上昇、再開発で更に上がる予想もある。中古マンション価格も、昨年は過去10年で最も上昇した。
 再開発の目的の一つ「賑わい」については、将来検証可能な具体的な指標がないことが明らかになった。
 再開発ビルは〈防災拠点〉としての面も強調されているが、水害時の垂直避難の収容人数は650人。来訪者も利用できるため、住民の避難がどの程度できるかは不明だ。
 また、これまでも度々存続を懸念する声が上がっている「梅の湯」については依然区の動きはなく、再開発準備組合任せであることがわかった。
 〈税金投入〉の質問に対し10月の説明会では、再開発事業費の概算は400億円で、区からの補助金は事業費の約4分の1から5分の1との回答だった。最近は各地で、物価高騰による再開発計画の中断が出てきている。円安が進んでおり、これまで以上に経済は不透明といえる。
◆千住の良さを失くさないで
 現在、再開発区域には数々の店がある。正面道路横は人気の立ち飲み屋(ごっつり)や繁盛のチェーン店を含む飲食店、高架脇は遠方のファンも多い自家製焼菓子店や会社員御用達の居酒屋、学園西通り沿いには銭湯や行列の飲食店(ここのつ)があるが、店舗存続については定かではない。
 これまでの街の声は、通勤・通学時間帯の駅前混雑解消を歓迎する一方で、高層マンションによる人と街の変化への不安、どこにでもある駅前になり千住らしさが失われることへの不満が多い。再開発自体に反対というよりも、高層ビルありきではない、元々の街の魅力を生かした活気ある形を求める声が聞かれる。
 再開発の今後の計画は、今年6月頃に都市計画決定、その後、再開発組合を設立して個々の権利の条件や補償等について権利変換計画を決定、2028年度に解体・新築工事着工、その3年後に竣工・引渡しが目標という。
 6月の都市計画決定がされると、後戻りはできない。自分たちの暮らしの未来をどう描くのか、改めて考えたい。