足立朝日

「やわらかアートアカデミー」代表 鈴木 公子(スズキミ) さん 「やわらかアトリエ」(竹の塚)

掲載:2026年4月5日号
絵は誰でも自由に描けるもの

 花畑あかしあ園併設のカフェ「ふぉらんHANAHATA」のガラス戸に、今年1月、カラフルな花が咲いた。ボンドにアクリル絵の具を混ぜて作られた「ジェルフラワー」たちは、同園の利用者や職員、フリースクールの生徒たちのお手製だ。
 鈴木さんが園の職員とともに考案。利用者に握力がない人や、細かい作業が苦手な人がいることから、誰でもできるものを模索し、辿り着いた。ワークショップでは「利用者さんの表情がパァッと明るくなって、笑顔になったのがうれしかった。ユニバーサルなアートになった」と喜ぶ。作り方を公開、誰でもできるようにした。
 出身は千葉県浦安市で、結婚を機に足立区に。絵が好きで、4歳~17歳まで近所の絵画教室に通っていたほど。指導者になりたいと思ったのは高校2年。きっかけは「自由に描かせてくれない先生に当たってしまって」。得意な美術の成績は落ち、表現の息苦しさへの反発から「自分だったら違う指導をする」と覚醒。「今あるのは、その先生のお陰」と笑う。
 女子美術大学絵画科油画専攻卒業後、美術教育を学んだものの一般企業に就職。結婚し、子どもがクレヨンを持って遊ぶようになったのを機に始めたのが、ガレージでの「ビシャバシャアート」。手を使って大きな紙に、好きなように絵具を塗りたくっていく。形も色も思いのまま。「地域の子どもたちが、自由に絵を描ける場所にしたくて」
 語る中で何度も「自由」という言葉が出る。「ジャクソン・ポロックの『アートに上下はない、正解がない』ということを伝えたい」。大人になって常識に捉われる前に、子どもの自由な感性で描く楽しさを大切にする。そうして生まれた作品は、抽象表現画家も顔負けの芸術だ。
 8年程前に「やわらかアートアカデミー」を開設。「やわらかアトリエ」の本棚には画集が並び、名画から画法を見つける指導もしている。「食べたものが栄養になるように、見たものが感性になって作品に出てくるので、何を見るかが大事」
 「オトナのデッサンCAFE」も開いている。「子育てカフェeatoco」(関原3-5-7)で月1回、お茶とお喋りも楽しむ部活のような場に人々が集う。次回は、4月15日(水)午前10時~昼頃開催。
 アートは縛られない心の表現だということを、スズキミさんの最高の笑顔が気づかせてくれる。
★出張教室などの依頼・問合せは「やわらかアートアカデミー」ホームページから。

写真/子どもたちの作品の前で