足立朝日

ダンスと二刀流でプロゴルファー目指す 廣岡 絵美理 さん(23) 扇在住

掲載:2026年6月5日号
自分だけのパフォーマンスで楽しませる

 トレードマークのピンクの髪に、とびきりの笑顔。屈託のない明るさが、周りを瞬時に惹きつける。
 3月24日、第23回「TOP CONNECTレディース」の女子ゴルファー部門で初優勝した。
 小2の時、アミューズメント施設で初めてゴルフを体験。「面白いぐらいにボールが当たるし飛んだ」。ゴルフ場のコース設計の仕事をしていたことのある父の後押しもあって、習い始めた。ゴルフ部のある足立区立新田学園の中学に入学したが、初心者向けの内容で物足りず。荒川河川敷の都民ゴルフ場が、手を差し伸べてくれた。「金銭的には他の子のように贅沢には出来なかったけれど、お陰で練習ができた」
 中3で進路に悩んでいた矢先に父が病に斃れ、期待に応えたい思いもありプロへの道を決意。奨学金で通信の日本ウェルネス高校に進学した。「父は私が20歳になるまで生きられないかもと言われた。だからこそ早く結果を出したい」。今回の優勝は車椅子で娘を応援し続けている父への、大きなプレゼントとなった。
 高校時代は自分で用具一式を担いで電車移動。駅からの送迎バスがない試合では、友人の双子プロゴルファー・岩井姉妹の父の車と、「都民ゴルフで知り合った個人タクシーのおじちゃんが、どこへでも乗せて行ってくれた」。もう一人、支援を約束してくれた地元の会社社長も大きな支えだったが、プロテストに初挑戦した2020年、2人は新型コロナにより相次いで他界。ゴルフから身を引いた。
 その挫折と失意から救ってくれたのが、ダンスとの出会い。「本当にいい先生で、命の恩人」。台湾の仕事に着いていくために、掛け持ちを始めたアルバイト先の居酒屋で、常連客の会社社長に誘われてゴルフに同行したのをきっかけに、諦めた道に再び導かれた。
 今は茨城の阿見ゴルフクラブで、客と一緒にプレイしサポートをする「withGolf」の契約プロとして活動、ダンスの仕事もこなす多忙な日々を送る。「ダンスがあってよかったと思うのは、クリエイティブなエンターテイナーとして観客を明るくできること」。自分にしかできないパフォーマンスとして、バーディーが決まった時に「ナイスバディダンス」を披露。「ナイスバーディとかけた」と笑う。
 「つらい時期があったからこそ、出会ったスポンサーさんもいるし、踊れるゴルファーも出来たし、辞めていた期間は無駄ではなかった。もし一回辞めていなかったら、いろんなことにぶつかっていたと思う」
 憧れの韓国のイ・ボミ選手を心に、笑顔を絶やさない。今の目標は「7月のプロテストに合格して、ツアーに参加すること」。700~800人中、合格者20人の狭き門に今年も挑む。ダンスでは韓国のガールズグループ「TWICE」と仕事をするのが目標だ。どちらも本気で夢を追う。芯の強さは、未来を拓くエネルギーに溢れている。

写真/念願のマイナビネクスト
ヒロインツアー2026(5月14日)で
ⒸALBA(廣岡さん提供)