足立朝日

羅針盤 VOL.181

掲載:2026年10月5日号
 秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる――古今和歌集(百人一首)、藤原敏行――
 秋が来た。秋にある大きなイベントは、スポーツフェスティバルとモミジ狩りだ。
 中でもモミジ狩りは春の「さくら見物」と並ぶ一年の最大行事である。
 きらきらと紅葉まばゆし藪の中(正岡子規)
季節の大きな行事だけに、当然ながらあまたの俳人、歌人が句や歌を詠んでいる。
 足立区のモミジ狩りについては、見開き頁を見て欲しいが、モミジが春の桜と違うのは競うのが「華やかさ」だけではなく、「わび」「さび」に通じる「繊細とはかなさ」があるからではないか。足下に積もった紅葉を踏んで歩く時の「カサ、カサ、カサ」の音は、何かはかない。
 桜見物と違って、「モミジ狩り」と呼ぶのは「山野で花や草木を探し求め、採集したり観賞したりすること」などの意味を込めて、と辞書にある。
 精一杯咲いたり実を付けたりした後の楓、柿、桜、漆、銀杏などの紅(黄)葉は、正にまばゆいものである。ああ、紅葉狩りが待ち遠しい。  (よ)