足立朝日

藍綬褒章・旭日小綬章 中川 外行さん(70歳)

掲載:2008年2月5日号
藍綬褒章・旭日小綬章
中川 外行さん(70歳)
竹の塚一丁目在住

 足立区議会議員、東京都議会議員を合わせて30年余務め、現在、伝統文化日本舞踊教室「樹の会」会長をはじめ、17団体の役職をこなす中川外行さん。地域や組織の顔として、超多忙な日々を送る。「前向きに、楽しく、積極的に、折り目正しく、人のために」の5つを信条とし、一時も歩みを止めない活動ぶりが、平成9年の「藍綬褒章」、19年の「旭日小綬章」に結び付いた。前者は「公衆の利益を興した人物」、後者は「国家または公共に対し功労のあった人物」のみが手にできる、いわば「公に尽くした」人間の汗の結晶である。後者では、天皇陛下直々の言葉が、今もはっきりと耳に残っていると言う。

この人生「公」のために
 この忙しさの中でも、趣味の写真を始めて6年目。何事も一生懸命取り組み吸収する能力が技術をグングン伸ばし、プロ同様の作品が国立新美術館に展示された。また、区観光協会主催の写真展では、5年間のうち4年連続入賞という腕前。
 「今年は出さないでなんて嫌われてしまった」と悪戯っぽく笑う。写真の楽しみは、人との巡り会いにもある。立山連峰では、サンフランシスコに1万坪の土地を持つ日系人との交流が生まれ、志賀高原では自殺願望の女性を救ったことも。しかし、新潟では自身が交通事故に遭い、車を潰したと飄々と語る。
 現在、会長を務める文化庁委嘱事業・子どものための日舞教室「もも組」では、日舞を通して「品格ある人間」を育てることを目的としているが、まずは「踊りからチャンスをつかみ、訓練によって実力をつけてほしい」と願う。
議員時代に「教育問題」に取り組んできた熱い思いが、心の片隅で燃え続けている。