足立朝日

獨協大学 東京女子大学 武蔵大学 非常勤講師 斉藤 善久さん(62歳)

掲載:2008年5月5日号
獨協大学 東京女子大学 武蔵大学
非常勤講師
斉藤 善久さん(62歳)
六月一丁目在住

 実体験を元に33の事例を挙げ、理屈や体裁、固定観念からしばられた「かたい頭」から、「やわらか頭」への変身を手助けする本「ひらめきのマジック」を自費出版した斉藤善久(さいとうぜんきゅう)さん。
  斉藤さんは早稲田大学第一政治経済学部卒業後、㈱電通に入社。多数の広告キャンペーン、イベントのプロデュースを手がけ、2003年3月退社。
 現在は獨協大学、東京女子大学、武蔵野大学で非常勤講師として、企業文化論、マーケティング論、広告論、コミュニティ文化論で活躍中。斉藤さんの講座は500人が受講する人気講座だ。「五感を刺激させるのが僕の授業」と斉藤さん。
  授業で電通時代の話を面白ろおかしく学生に聞かせていたら、学生に「本でも出したら」と言われたことが、出版のきっかけとなった。

おもしろおかしく生きて欲しい
  「面白いことを考えることが大好き。何か面白いものはないかと地面を見ながら歩いてる。そうすると1円が落ちてたりするんだよね」と、屈託なく笑う。「『やわらか頭』とは視点の移動」という。
  「『千の風になって』がどうして売れたかわかりますか? 死んだ人の側に立った歌は今までなかったんです。これこそ視点の移動です」
  著書の中の事例31に「好きな人に100本のバラを贈る」というのがある。この事例を斉藤さんは、奥様に試してみた。花瓶が足りず、ペットボトルの上部をカッターで切って花瓶にしたそう。それをベットの周りに並べて「こんなに花に囲まれるのは死ぬ時くらい」と照れ隠ししたそうだ。
  「躊躇してやらないのは一生の後悔。好きか嫌いかは時の運」とアドバイスする。
 「団塊の世代の男性は、家族のために働いて仕事のストレスもあっただろう。女性は結婚、子育て、子離れを経験するので個を見つめざるを得ない体験をしてきている。いよいよ自分の人生を生きる時が来た。10分の1で良いから、地域に関心を持つなどコミュニティーのために貢献できることをすると、世の中も良くなるのではないか。毎朝子どもを驚かせて喜ばせるなど、それだけで幸せを感じる。おもしろおかしく毎日を生きて欲しい」と団塊の世代にエールを送る。
  「どんな人生もひとつの本になる、という言葉がある。僕の人生を本にしたら買ってくれる人がいる。こんなうれしいことはない」と、感慨深く話す。著書は北千住マルイ紀伊国屋、アマゾンで買える。