足立朝日

ラストファイトでファンを魅了 川崎タツキ・引退試合をTKOで飾る

掲載:2008年12月20日号
 本紙「ピープル」に掲載し反響を呼んだ足立区出身のプロボクサー、川崎タツキ(36・草加有沢)が12月1日、後楽園ホールで引退試合を行った。


ラストファイトを見せるタツキ(後楽園ホール)

 ペットナムエーク・シットサイトーン(26・タイ)との対戦で2回のダウンを奪った。ファンデーションで隠した背中の刺青が汗で浮かび上がる。
 3ラウンドにも2度ダウンを奪い、レフリーストップ。3ラウンド51秒TKO勝ち。彼らしいラストファイトを観客に魅せ、引退試合に華を添えた。
 生後10カ月の璃依紗(りいさ)ちゃんを抱き、「日本チャンピオンのベルトを巻くことはできなかったが、それ以上のものを頂いた」と挨拶。静まった会場に10カウントが鳴り響き、熱くなった目頭を押さえた。


愛娘の瑠依沙ちゃんとタツキ選手

 「璃依紗ちゃん、かわいいでしょう」と愛娘に目を細める姿は、とても暴力団、薬物依存症の地獄から根性で這い上がった過去は想像し難い。
 波乱に富んだ半生は日本テレビ系列の「TheサンデーNEXT」にも紹介された。虚勢を張らない、飾らない、涙も隠さない、純粋な屈託のない笑顔をみせる魅力的なタツキの人柄は、多くの人の心を掴んだ。
 「人生はこれからだと思っています。楽しく生きていきたい。足立区のみなさんも一緒に楽しく生きましょう」と区民にメッセージを送った。