鶴田流薩摩琵琶奏者
櫻井 亜木子さん(32歳)
古千谷本町在住
琵琶といえば平家物語が思い浮かぶ人は多いだろう。平家落人の里・日光市湯西川温泉で、琵琶語りを聴かせている。3月に氷瀑の舞台で行う幻想的な演奏は、気温マイナス15℃の過酷さだが、「平家の魂を鎮める歌を観光客に聴いてもらって、何かを感じてもらえれば」と、事もなげに笑う。
まだ32歳という若さだ。琵琶との出会いを問うと、「実は手違いだった」と屈託がない。東京音大入学時、琴をやりたくて選択した和楽器のコースが、手違いで琵琶に。当時は金髪で「ジュリア・ロバーツだった」外見で教室に行くと、先生の歓迎ぶりに後に引けなくなってしまったという。
サボりがちだった運命が変わったのは2年目。それまで琵琶の演奏しか教えてこなかった先生が、初めて「一の谷合戦敦盛」を歌って聴かせた。ザーッと鳥肌が立ち涙が溢れた。初めて琵琶をいいと思った瞬間だった。
日本人の琴線に触れる演奏
「あまりに先生から感動を受け取ったので、それをみんなにも味わって欲しい。あれはエクスタシーだった」。
琵琶の魅力は特有の音色にある。ベンベンと共鳴する響きは、聴く者の物哀しい感情を掘り起こし、魂を揺さぶる。「日本人のDNAのせいかも」。0歳から母の三味線の稽古を聴いて育ったことから、学校で子どもたちに聴かせたいという。「寝ていても遊んでいても耳に入っていれば、どこかで何かに結びつく」。
これまで演奏してきた中で、印象的な出来事がある。演奏後、自分と同じ角度で頭を下げる聴衆の姿が目に入った。演奏への礼ではなく、もっと大きなものへの感謝に感じられた。
「最終的には私の琵琶を聴いてくれた人が、自然と拝みたくなるような奏者になれれば」。はつらつとした笑顔に、日本古来の心を受け継ぐ佇まいが息づく。
★ 櫻井さんの演奏予定
9月7日(日)午前11時開演。「第45回日本琵琶樂コンクール」に出場。入場無料。東京証券会館ホール(地下鉄東西線・茅場町駅8番出口すぐ)。
9月12日、深川江戸資料館の講談「妖怪七変化」に出演。このチケットを1組2名に。(詳細は4面のプレゼント欄)
10月の「あだち区民大学塾」講師(詳細は6面)。
櫻井 亜木子さん(32歳)
古千谷本町在住
琵琶といえば平家物語が思い浮かぶ人は多いだろう。平家落人の里・日光市湯西川温泉で、琵琶語りを聴かせている。3月に氷瀑の舞台で行う幻想的な演奏は、気温マイナス15℃の過酷さだが、「平家の魂を鎮める歌を観光客に聴いてもらって、何かを感じてもらえれば」と、事もなげに笑う。
まだ32歳という若さだ。琵琶との出会いを問うと、「実は手違いだった」と屈託がない。東京音大入学時、琴をやりたくて選択した和楽器のコースが、手違いで琵琶に。当時は金髪で「ジュリア・ロバーツだった」外見で教室に行くと、先生の歓迎ぶりに後に引けなくなってしまったという。
サボりがちだった運命が変わったのは2年目。それまで琵琶の演奏しか教えてこなかった先生が、初めて「一の谷合戦敦盛」を歌って聴かせた。ザーッと鳥肌が立ち涙が溢れた。初めて琵琶をいいと思った瞬間だった。

日本人の琴線に触れる演奏
「あまりに先生から感動を受け取ったので、それをみんなにも味わって欲しい。あれはエクスタシーだった」。
琵琶の魅力は特有の音色にある。ベンベンと共鳴する響きは、聴く者の物哀しい感情を掘り起こし、魂を揺さぶる。「日本人のDNAのせいかも」。0歳から母の三味線の稽古を聴いて育ったことから、学校で子どもたちに聴かせたいという。「寝ていても遊んでいても耳に入っていれば、どこかで何かに結びつく」。
これまで演奏してきた中で、印象的な出来事がある。演奏後、自分と同じ角度で頭を下げる聴衆の姿が目に入った。演奏への礼ではなく、もっと大きなものへの感謝に感じられた。
「最終的には私の琵琶を聴いてくれた人が、自然と拝みたくなるような奏者になれれば」。はつらつとした笑顔に、日本古来の心を受け継ぐ佇まいが息づく。
★ 櫻井さんの演奏予定
9月7日(日)午前11時開演。「第45回日本琵琶樂コンクール」に出場。入場無料。東京証券会館ホール(地下鉄東西線・茅場町駅8番出口すぐ)。
9月12日、深川江戸資料館の講談「妖怪七変化」に出演。このチケットを1組2名に。(詳細は4面のプレゼント欄)
10月の「あだち区民大学塾」講師(詳細は6面)。