足立朝日

常磐線をアートが結ぶ JOBANアートライン協議会

掲載:2009年1月5日号
 常磐線をアートで結ぶ初のイベントが11月22日、北千住駅南改札口前広場で行われた。
 主催のJOBANアートライン協議会は、常磐線沿線と沿線地域のイメージアップを目的に平成18年に設立されたもので、4区(足立、荒川、台東、葛飾)、4市(松戸、柏、我孫子、取手)、JR東日本東京支社、沿線3ヵ所に校舎のある東京藝術大学が名を連ねる。
 「ONLY ONE プロジェクト in 北千住」と題し、東京藝大生など若手アーティスト10人が唯一無二のポスター公開制作に取り組んだ。



子どもたちが巨大ポスターの塗り絵に挑戦。後ろの壁ではアーティストたちが制作中

 午前9時半、宮本哲北千住駅長の号令で開始。駅の利用者が見守る中、鉛筆、水彩、切り絵などで各人10枚、個性溢れる独自の世界を表現した。同じ場所では、巨大塗り絵のポスター制作も同時進行。大学生2人が下絵を描いた40枚に、子どもたちが思い思いに色を塗った。4区4市の花や鳥、シンボルの建物などが配置された図柄で、全部合わせると縦2m×横7mにもなる。参加した青井在住の三上晏奈ちゃん(小3)と隼到くん(5歳)は、「大きい塗り絵は初めて!」と、目を輝かせていた。


完成した作品と若手アーティストたち。足立区長、取手市長、JR北千住駅長が労った

 プロジェクトプロデューサーの傍嶋賢さん(29)は、印刷ではなくあえて大変な方法を選んだ理由を話す。「アートを伝えるのに同じものを何枚も作るのではリアリティがない。1枚1枚手描きでやることで、アーティストがアートラインにいることが伝わる。広告代理店にできないことを、と思った」。他区との顔合わせができたことも意義があったという。
 夕方には全てのポスターが完成し、近藤やよい区長と藤井信吾取手市長が駆けつけ労った。アーティスト担当のポスターは常磐線と山手線の駅などに、巨大ポスターは自治体ごとに各5枚、区役所などに展示される。