初めて平成生まれの新成人が誕生した今年、足立区では昨年より199人多い計6134人(男性3100人、女性3034人)が成人の日を迎えた。今年の成人式は、新成人が自分たちの手で作る初の実行委員会形式で行われた。

成人式実行委員の皆さん
1月12日、東京武道館で行われた成人式。窮屈さや浮ついた空気はなく、誠実であたたかい雰囲気に包まれて進行した。終了の合図で3170人の新成人が賑やかに退場していく中、ステージ前に集まり、輝く笑顔で喜びを分かち合う一団がいた。
川口佑麻さん、金沢未来さん、川島萌夢さん、小嶋大樹さん、近藤智幸さん、藤田徹さん、松井要さん、村本淳一さん、雲藤正人さん、宮城孝太さん。欠席の堀口大樹さんを除く、実行委員会のメンバー10人だ。当事者の目線で、責任を背負い半年以上真剣に取り組んできた彼らにとって、安堵と達成感の瞬間だった。
昨年3月、新成人対象者1000人の中から募ったメンバーで、動機は様々。藤田さんは「自分たちでできるなら、やってみたい」。村本さんは、以前アトラクションに出た踊りの仲間から、荒れた様子を聞いたことがきっかけだった。
11人は「成人式をやるかどうか」、から議論を始め、多忙な時間を縫って約30回話し合い、企画、準備を進めてきた。
最も苦労したのは、記念品選び。希望と予算などの折り合いが付かず、3カ月ほどかかった。
一緒に配布した冊子「いいじゃん、あだち」は、足立区のあゆみや名所案内、お酒との付き合い方、選挙や職業インタビューなど、盛りだくさんだ。ページごとに分担して原稿を作成。年金課に取材してまとめた年金のページもある。楽譜付きで載せた区歌「わがまち足立」は委員の誰も知らず、学校で習っていない事実を区が初めて知る一幕もあった。「楽しさをベースに、役に立つものにしたかった」と編集担当の近藤さんは話す。
当日は、川口さんと松井さんが成人代表のことばを、藤田さんと小嶋さんが堀江慶子アナウンサーとともに司会を担当した。アトラクションは、ビデオレター上映と演奏のシンプルな内容。足立区出身の女優の雛形あきこさん、北京五輪の藤野選手、同パラリンピックの大村選手、海沼選手、境川部屋の豊響、区内5中学の教員からのメッセージが流れた。
演奏は東綾瀬中学校吹奏楽部に依頼。会場地元の中学にしたのは、年下の目があることで騒ぎへの抑止効果が期待できるのと同時に、毎年周辺地域に迷惑をかけていることに対する感謝の気持ちからという。成人式開催への感謝と理解を求めるチラシ2000枚を作って、12月に近隣に配布したのも同じ理由だ。
「みんな個性はバラバラ。知らない人間が話し合うことで、相手の意見を聞く大切さを学んだ」と川島さん。代表として委員会を引っ張ってきた松井さんは「初めてなので見本がなく、予想以上に大変だった。やってみてよかった」と振り返る。
別れ際、彼らを導いてきた青少年センター職員に、「来年はビデオレターに出られるように頑張りたい」と雲藤さんが宣言。
一回り大きく成長した新成人たちは、大きな財産を得て大人としての一歩を踏み出した。

成人式実行委員の皆さん
1月12日、東京武道館で行われた成人式。窮屈さや浮ついた空気はなく、誠実であたたかい雰囲気に包まれて進行した。終了の合図で3170人の新成人が賑やかに退場していく中、ステージ前に集まり、輝く笑顔で喜びを分かち合う一団がいた。
川口佑麻さん、金沢未来さん、川島萌夢さん、小嶋大樹さん、近藤智幸さん、藤田徹さん、松井要さん、村本淳一さん、雲藤正人さん、宮城孝太さん。欠席の堀口大樹さんを除く、実行委員会のメンバー10人だ。当事者の目線で、責任を背負い半年以上真剣に取り組んできた彼らにとって、安堵と達成感の瞬間だった。
昨年3月、新成人対象者1000人の中から募ったメンバーで、動機は様々。藤田さんは「自分たちでできるなら、やってみたい」。村本さんは、以前アトラクションに出た踊りの仲間から、荒れた様子を聞いたことがきっかけだった。
11人は「成人式をやるかどうか」、から議論を始め、多忙な時間を縫って約30回話し合い、企画、準備を進めてきた。
最も苦労したのは、記念品選び。希望と予算などの折り合いが付かず、3カ月ほどかかった。
一緒に配布した冊子「いいじゃん、あだち」は、足立区のあゆみや名所案内、お酒との付き合い方、選挙や職業インタビューなど、盛りだくさんだ。ページごとに分担して原稿を作成。年金課に取材してまとめた年金のページもある。楽譜付きで載せた区歌「わがまち足立」は委員の誰も知らず、学校で習っていない事実を区が初めて知る一幕もあった。「楽しさをベースに、役に立つものにしたかった」と編集担当の近藤さんは話す。
当日は、川口さんと松井さんが成人代表のことばを、藤田さんと小嶋さんが堀江慶子アナウンサーとともに司会を担当した。アトラクションは、ビデオレター上映と演奏のシンプルな内容。足立区出身の女優の雛形あきこさん、北京五輪の藤野選手、同パラリンピックの大村選手、海沼選手、境川部屋の豊響、区内5中学の教員からのメッセージが流れた。
演奏は東綾瀬中学校吹奏楽部に依頼。会場地元の中学にしたのは、年下の目があることで騒ぎへの抑止効果が期待できるのと同時に、毎年周辺地域に迷惑をかけていることに対する感謝の気持ちからという。成人式開催への感謝と理解を求めるチラシ2000枚を作って、12月に近隣に配布したのも同じ理由だ。
「みんな個性はバラバラ。知らない人間が話し合うことで、相手の意見を聞く大切さを学んだ」と川島さん。代表として委員会を引っ張ってきた松井さんは「初めてなので見本がなく、予想以上に大変だった。やってみてよかった」と振り返る。
別れ際、彼らを導いてきた青少年センター職員に、「来年はビデオレターに出られるように頑張りたい」と雲藤さんが宣言。
一回り大きく成長した新成人たちは、大きな財産を得て大人としての一歩を踏み出した。