足立朝日

じんがんなわに地域の子ら参加

掲載:2009年2月5日号
 400年以上前から続く「じんがんなわ」が1月12日、西保木間2丁目の大乗院で行われた。

 じんがんなわとは、魔除けのワラヘビを作って境内のイチョウの木に掲げる行事で、足立区の指定民俗文化財となっている。言い伝えによると、昔この地に住んでいた薬師如来の使いの白蛇が、薬師堂の焼失後いなくなり、飢饉や疫病に襲われるようになったため、ワラで作った蛇を見立てて祀ったことが由来という。
 戦後から昨年までは7日に行われていたが、平日で集まりにくく後継者不足もあり、今年から成人の日に変更になった。
 また、これまで大門じんがんなわ保存会(増田精一会長)の24人だけで続けてきたが、今回は地域の子どもたちもワラヘビ作りに参加。見物人の中には「30年ぶりに見に来た」という女性もいた。
 ワラは大乗院の隣に水田を持つ増田会長が全て用意。直径3~4㎝ほどの束の先端部分を参加者たちが編み、保存会のメンバーがそれを頭の部分に丁寧に差し込みながら編み上げて、全長6mもの大蛇を完成させた。
 昨年の大蛇は木から下ろして燃やし、その灰を新しいへびの目と鼻にすることで、蛇の魂が受け継がれていくという。新しいワラヘビは、来年の「じんがんなわ」まで1年間、イチョウの枝の上から地域の安全を見守る。
写真=揃いのはっぴを着た保存会のメンバーが、細いワラの束を編み上げていく