足立朝日

足立のよさ甚句に 足立名所甚句

掲載:2009年2月20日号
足立名所甚句 芸能大会2月28日(度)、相撲甚句大会3月1日(日)

 「あ~、ドスコイドスコイ」という合いの手と、七五調の独特の節回しが特徴の相撲甚句。足立区の名所を唄った「足立名所甚句」が誕生、昨秋区民まつりで初お披露目された。今月28日に区庁舎ホールで開かれる「第52回足立区民芸能大会」で、再び披露される。

 作詞したのは足立3丁目在住の林太一さん(75)。国錦耕次郎氏(全日本相撲甚句協会師範、日本相撲協会教習所講師)に10年以上前から師事し、平成17年から区内の学習センターで教室を開いてきた。
 1年前に晴れて「東京足立相撲甚句会」(全日本相撲甚句協会所属)を発足、「凛と唄い・豊な心」をモットーに約20人が在籍する。この発足をきっかけに足立名所の甚句を思いつき、春から構想を練ってきた。完成までの半年間、足立区中の名所を探し、実際に現地に行くなどして調べたという。「相撲が主体だから、やせ蛙の『ハッケヨイ』を途中に入れて、最後に区内にある2つの相撲部屋、玉ノ井部屋と境川部屋を入れた」と、工夫を語る。
 相撲甚句は前歌・後歌・本歌・囃し歌の4つで構成されており、最後の囃し歌はユーモアで締めくくるオチの部分。調査中に足立市場「やっちゃ場」が家康の時代にできた市場発祥の地だと知り、「もがき」(=「すぐに売れてしまう」意味のセリ用語)を年頃の娘にかけた。でき上がった詞を見て、「区内だけでなく、芭蕉や水戸黄門など全国につながるものがある」と林さん自身、足立区の良さを再発見したそうだ。
 「甚句は息を一気に吸って七五調で出していくので、自然と複式呼吸になり健康にもいい」。指導ではとにかく声を出させるので、「(生徒は)他の事なんか考える暇はない」と笑う。
 東京足立相撲甚句会の出演予定は次の通り。
●区民芸能大会=2月28日(土)、区庁舎ホール、午前10時開演、無料。相撲甚句は午後1時38分頃(第2部49番)の3分間。
●第11回相撲甚句発表大会=3月1日(日)、江戸東京博物館、午前10時開演。無料。

◆足立名所甚句 
 あ~足立名所を甚句にとけばヨ~/あ~地名の起こりは葦立でェ/芭蕉が旅立つ千住宿~ホイ/日光詣での賑わいを/閻魔が守る勝専寺~ホイ/鉄路を交える北千住/横に結ぶは環七で/江戸城へつなぐ日光道~ホイ/槍掛けの松で一休み/(台詞)あ~やせ蛙~ハッケヨイ(合いの手)/負けるな一茶是に有り/一茶が句を読む炎天寺ィ/広重休む東岳寺/藤と牡丹のお大師さん~ホイ/酉の市なら花畑の/大鷲神社が起源なる~ホイ/舎人氷川神社の昇り竜/今はライナー夢乗せて/新鮮 青果と花市場~ホイ/五色桜にほほ染めて/足立姫(娘)は何想う~ホイ/二千年もの夢覚めて/優美に開く大賀蓮/今の世代に 何語る~ホイ/天地に映ゆる 足立花火イ/相撲じゃ玉ノ井部屋ヨ~ホホイ/あ~あ~境川部屋ヨ~
 売りッ切れ/あ~今の言葉で申すなら~ホイ(今を昔で)/昔ヤッチャ場 今市場~ホイ(しじょう)/あの娘は“もがき”だ 気が焦り~ホイ/一声遅れて 売りッ切れ 売りッ切れ