足立朝日

集めよう ベルマーク 綾瀬小47年間つづく活動

掲載:2009年6月5日号


合言葉は誰でも参加できるボランティア

 お菓子や文具など、様々な商品に付いているベルマーク。集めた点数で学校の備品購入ができ、この不況下で心強いシステム。だが、生徒数が少なく集めにくい、集計が面倒などの理由から、思うように活用できない学校も多い。
足立区では約40校が参加。中でも、綾瀬小学校(砥抦敬三校長・綾瀬3)は創立時から47年間にわたって熱心な活動を続け、集票数が一昨年度は都内5位、昨年度は8位の成績を収めた。

 ベルマーク運動は1960年、朝日新聞社が創刊80周年記念事業として創設した。協賛企業(現在は63社)の商品についているマークを学校単位(幼稚園~高校)で集めてベルマーク財団に送ると、1点1円として教材を購入できる。それと同時に、購入代金の1割相当が財団への寄付となり、へき地校、特別支援学校、発展途上国の子供たちへの援助活動に使われる。

「綾瀬小の取り組み」

 ベルマークと同じ年に誕生した綾瀬小は、児童数約860人を抱える区内一のマンモス校。創立当初から始めたベルマーク集めは、05年1月には都内10校目となる類計600万点を達成。昨年度は13万3928点を集め、都内参加1050校中8位となった。
 昨年は竹馬12台と竹馬整理台を購入。また毎年一部は図書の購入にあて、図書室にはベルマークで買ったことがわかるように、ベルマークシールの貼られた本が数多く並んでいる。自動的に財団に寄付される1割のほかに、友愛援助事業への寄付も欠かさずに行っている。
 活動を牽引しているのはPTA(石橋聡会長)の学年学級委員会(藤本絵里委員長)。『ベルマークは誰でも参加できるボランティア』を合言葉に、子どもたちや保護者に呼び掛けている。
 収集には教職員、栄養士も積極的に協力。地域ベルマーク箱を9ヵ所に設置することで、地域の人も参加している。「せっかく集めるクセがついているから続けたい」という卒業生のお母さんも。
回収は年4回。1クラス分を委員が自宅で仕分けした後、委員会でまとめる仕組みだが、3年前からは「もっとベルマークへの理解を深めよう」と、内1回4~6年の代表児童と一緒の集計日を設けた。
 マークは商品によってサイズや形、点数が異なるため、企業ごとにまとめて集計する作業はかなりの時間と根気がいる。0・5点や1点などを整理する地道な作業に、最初は不満気な子どもたちも、最後の集計で1万点が発表されると歓声が上がる。「小さな点数も積み重ねると大きな点数になる」「1人1人が丁寧に切ると、係のお母さんの仕事が楽になる」と、委員のお母さんたちにとってうれしい感想が聞かれる。
藤本委員長は「これだけたくさん集められるのは、長い歴史の中で浸透してきたからだと思う。47年続いている活動の一時期をやらせていただいていることがうれしい」と話す。子ども、学校、お母さん、地域の人たちの地道な活動とあたたかい心が、身近なボランティアを支えている。

「個人で協力するには」

  朝日新聞アスパラクラブ会員なら、個人で収集したものを財団に寄贈することができる。会員以外の人は綾瀬小学校の地域箱に入れるか、近隣の学校に活動を問い合わせてみて。
インクカートリッジ(エプソン、キャノン)はそれ自体が5点のマークになっているので、使用済みのカートリッジがある人は、ぜひご協力を。

《綾瀬小ベルマーク箱・設置場所》綾瀬小学校(綾瀬駅前)、イトーヨーカ堂(同)など。問合せTEL3605・7328

写真上=大人も子どもも一緒にベルマーク集計
写真中=ベルマークで購入した図書室の本
写真下=地域に置かれているベルマーク箱