足立朝日

第65代足立区議会議長  鴨下 稔さん(62歳)  足立3丁目在住

掲載:2009年7月5日号
区民のための議長を模索

 平成21年度第1回足立区議会臨時会に於いて、第65代足立区議会議長に就任した鴨下稔氏(副議長・きじまてるい氏)。
 「その日から早速、議長の仕事が入り、区内行事への挨拶に出向いた」と笑顔で話す。

以来、続けての議長業務に追われ、声も嗄れ気味であるにも関わらず、議長職は選挙で区民に選ばれる立場ではないため、名前の浸透率が低く、区長名の高い浸透率とのギャップを感じると苦笑する。
 どのような状況にあろうとも、「議員のための議長ではなく、区民のための議長であるにはどうあるべきか」を常に模索している。
 現在は、次々と入る議長職をこなすだけで日々が終わり、自分の時間をコントロール出来ないのが悩みの種。「まるでベルトコンベアーに乗せられた荷物だね」と笑う。
 大阪万国博覧会の年に企業に就職し、サラリーマン生活を送った鴨下議長。企業時代は充実していたが、「50歳で退社する」と既に決めていたそうだ。
60歳まで仕事を続ける道もあるが、サラリーマン時代に蓄積した能力や人脈を生かせる仕事を次に考える場合、体力的・気力的にこの10年の差を大きいと感じたという。退職後、地域の大神田賢次・元議員の後援会を手伝うことになり、この道に入った。
 多くの区民ニーズを聞ける立場にある現在、人口増加による医療体制として、総合病院が必要とされていると感じている。
 しかし実際は、ベッド数の縛りなどがあり実現しない現実があるため、困難を承知で声を上げていかなければいけないと考えている。
日常生活でも教育面でも「地域力」を大事に考える鴨下議長は、町会・自治会の機能を高く評価。一般家庭の入会率の低さを残念がる。
 自身が尊敬する故・大室徳三氏の「国を造るのは政治であり、政治を造るのは人であり、人を造るのは教育だ」という名言に感動し、それに教えを請う気持ちで議長職に邁進する日々である。