足立朝日

飼主のモラルの低さ殺処分数の多さに影響  第2回動物愛護法見直す会

掲載:2009年7月5日号
 「動物愛護管理法を見直す会」の2回目が、5月29日衆議院第一議員会館で行われた。

 元歌手の佐良直美さんは、「動物と暮らす人々が心ある飼い主になって欲しい」との願いから、現在「優良家庭犬普及協会」と「アニマルファンスィアーズクラブ」を主宰し、那須で活動をしている。「現代社会では『飼い主のマナー教室』や、動物と暮らしていない人を含めた動物との共生を考えたセミナーが必要と考えている」と発言。
 子犬、子猫を扱う流通市場やブリーダーには「遺伝性疾患や性格を充分精査して繁殖しているのか。生まれてきた子に何の罪もないのは当たり前のこと。改めて法律で不幸な命を殖やさない防止をして欲しい」と訴えた。
 また、「消費者トラブルが多い昨今、売る側だけでなく飼い主のモラルにも問題がある」と斬るのは野田聖子衆議院議員。年間約30万頭にも上る殺処分数の一番多く占める割合いは、飼い主の持ち込みという現実からも、飼い主のモラルの低さも大きな問題だ。
 現行法でも「殺処分ゼロに向けて」活動しているのは松野頼久衆議院議員。2年後には、飛躍的に変わるような法改正を与野党で行っていきたいと語る。
 動物愛護と適正な管理を進める議員の集団の動物議連のメンバー、馬渡龍治議員は「法律や制度を変えることによって動物たちを救っていきたい」と抱負を述べた。
 また、近年増加が顕著な動物・犬猫の虐待事件だが、凶悪殺人事件は動物虐待からエスカレートしてゆくことがアメリカの犯罪学からも認められている。「法律が定まれば、人間も動物も命が守られる」「動物の問題ではなく、人間(飼い主)の問題。突き詰めると教育の問題。それは文部省の問題でもある」と熱い意見交換が交わされた。
 EU諸国は2013年から化粧品に関する動物実験の全面禁止が決定したことから、動物実験の問題も取り上げられた。
 「今すぐ取り掛かれる問題か、10年かかるのか。それぞれの問題を環境省に聞いていき、法律の文言をひとつずつ見直しましょう」と藤野真紀子衆議院議員はまとめた。第 3回目は足立区在住のマルコ氏がヨーロッパの法律について話す予定。

写真=捨てられた犬猫を那須で保護しながら犬の訓練にも励む佐良さん(中央)、左橋は野田議員、右は藤野議員