足立朝日

道路交通法のようにわかりやすい法律に  第3回動物愛護法改正の会

掲載:2009年8月20日号
 7月10日、衆議院第一会館にて3回目の「動物愛護法改正の会」が行われ、現在の法律の中でも命を救うために可能なこと、改善しなければいけない問題を提起した。

 日本では愛護センターに持ち込まれた動物は二酸化炭素で殺処分が行われているが、アメリカでは二酸化炭素は虐待と定義されている。
 「吉野環境副大臣は二酸化炭素は麻酔(安楽死)です、とおっしゃったが納得できない。一頭、3千円から6千円で殺処分しているが麻酔で一頭ずつ殺す安楽死だと、どれくらいの予算の違いが出るのか具体的に調べて欲しい」と環境省の安田直人室長に訴えるのは、藤野真紀子議員。
 松野頼久議員は「持ち込みのリピーターに関しては罰則を与えるべき。愛護管理施設がオープンでなく旧態依然のままの所もある。自治体への指導を徹底して欲しい」と殺処分ゼロに向けての具体案を示した。
 安田室長は「安楽死を考えていきたいが、実際やるのは自治体。大きな課題です。また、愛護センターへの持ち込みリピーター廃止に向けて松野議員の案は示しています」と回答した。
 マルコ・ブルーノ氏は「法律を改正するのは非常に大変で時間がかかる。その間に毎日、1日960匹の犬猫が殺されている。日本は課題が多すぎて完璧にするまでに、10年はかかってしまう」と口火を切った。
 また、「保健所を一番悩ませているのは『犬がうるさい』との苦情。飼い方の講習会を足立区で提案したが『予算がない』と言われた。我々がボランティアでやる。第三者に迷惑をかけない飼い方だけではなく、健康管理も指導できる」。マルコ氏は現在の法律の中で、お金も時間もかけずに、殺処分数を減らす提案を示した。
 マルケン事務所・所長の福本健一さんは「愛護と管理は分けるもの。危険動物(ワニ、ヘビ)も一緒くたになってしまっている。何を守り何を規制したいのかわからない。一般の人に道路交通法と同じようにわかりやすくして欲しい」と現在の法律の問題点を指摘。
 フジテレビ、ニュースジャパンのキャスター・滝川クリステルさんは「大きな流れを変えるのは、やはり世論。ひとりでも多くの人に広めたい」と話す。

写真=あいまいな文言を鋭く指摘するマルコ氏