足立朝日

花畑大鷲神社 江戸時代から続く伝統の獅子舞

掲載:2009年8月20日号
保存会を継承する若い力が育つ
 花畑大鷲神社(花畑7)で7月19日、伝統の獅子舞が奉納された。
 江戸時代中期に始まったとされ、同神社獅子舞保存会が継承、足立区指定無形民俗文化財となっている。

 かつては酉の日の神事だったが、現在は毎年7月の第3日曜日に、天下泰平、五穀豊穣、悪疫退散、雨乞いを祈願して奉納されている。
 獅子の姿は一般的に良く知られているものとはかなり違う。頭も胴体も黒く、軍鶏の羽で作られた長いたてがみも黒。雄獅子には桐製の長い立派な角が2本あり、一種独特な迫力がある。雄獅子「大獅子」「中獅子」と、雌獅子「かか獅子」の3頭が1組となって、腹にくくり付けた太鼓を打ち鳴らしながら踊る。
 獅子たちは、かつて保管場所となっていた花畑6丁目の福寿院(現在は郷土博物館に保管)から、御幣持、花笠衆4人と共に、太鼓と笛の音を響かせながら行列を作って神社まで移動。境内で一日がかりで、6種類の舞を奉納した。躍動感に満ちた気迫の舞いを、参拝客やアマチュアカメラマンたちが見守った。
 一番目の「岡崎の舞い」は親子共演となった。父・藤田政良さん(48)の大獅子、従兄弟・浩之さん(49)のかか獅子とともに中獅子を務めたのは、高校1年の藤田大輝さん。小さい頃から獅子舞を身近に育ち、小学生で舞いや笛を始めたという。「舞っているときは獅子になりきった」と達成感に笑顔を見せた。保存会会長でもある祖父の藤田倉夫さんが目標と話す。
 また、花笠衆の長谷川佳苗さん(桜花小6年)も、「お父さんが小さい頃笛をやっていて、かっこいいからやりたかった。重かったけどやってよかった」とニッコリ。保存会では、若い後継者たちが着実に育っている。

写真=太鼓を打ち鳴らしながら舞う獅子たち