
寺町としても知られる伊興は、古墳時代の遺跡が数多く、区内で最も歴史が古い。遺跡の一部である伊興遺跡公園内の展示館で、今日からプチ展示が開かれている。

伊興遺跡公園。手前は溝墓、右奥は竪穴式住居(再現)
毛長川に面したこの地域はかつて沼沢地で、古墳時代には半農半漁の集落があった。近年まで古墳群も残っており埴輪などが多く出土していたが、耕地整理で失われ、今は白旗塚古墳だけが公園として残されている。
伊興遺跡は祭祀に使われていたものとして、昭和30年代に全国的に知られるようになったが、そのきっかけとなったのが故西垣隆雄氏の収集品。

その一部を公開するのが今回のプチ展示で、これまでにも2回、テーマ別に開催。今回は古墳時代以外にも、地表から収集された奈良・平安時代、中世(鎌倉~戦国時代)、江戸時代のものも展示される。
展示品は古墳時代の土師器や奈良・平安時代の土器など。古墳時代中期(5世紀)初めに大陸から伝わり、関東では数が少ないという焼き物「古式須恵器(すえき)」も初お目見え。「樽型ハソウ」は、伊興遺跡を代表する古式須恵器としてさまざまなところで紹介されている。他に、正体不明の土器の破片も展示される。
古代この地に住んでいた人たちが、どんな風に土器を使って生活していたのか想像するのも楽しい。この機会に古代のロマンに触れてみよう。
写真=樽型ハソウ
◆プチ展示『表採資料からみた伊興遺跡』展
【日時】12月5日(土)~1月24日(日)午前10時~午後4時
【場所】伊興遺跡公園展示館2階ホール(東伊興4―9―1)
【料金】無料
【交通】竹ノ塚駅西口・舎人二つ橋行きバス「聖一の橋」下車6分。入谷循環「伊興吉浜」下車7分。新里循環「北寺町」下車6分。氷川神社向かい。