足立朝日

猫の飼い方教室 習性を知って愛情を注ごう

掲載:2009年12月5日号
 猫の飼い方教室が11月15日、足立保健所で開かれた。
 講師は猫のエッセイなどの著書で知られる、動物ライターの加藤由子氏。気さくな語り口で猫への愛情がたっぷりに、科学的な視点から習性と歴史をわかりやすく語った。

 人間が飼っている猫は、子別れをしないため独立せず、大人になれない。それゆえの可愛さがある一方で、習性を知らないと猫にとって不幸なことになるという。
例えば、飼い主のことは餌の時は親、普段は兄弟だと思っているため、ジャレて噛みつくのは兄弟への当たり前のコミュニケーション。それを振り払ったり怒ったりするのは、猫との絆を壊すことになる。猫じゃらしなどで短時間でも遊んでやることが大事という。
 また、猫の室内飼いをかわいそうと思いがちだが、17歳になる猫を飼っている加藤氏は、「室内飼いの方が幸せに暮らせる」と実感を込めて断言。「猫は待ち伏せして狩りをする動物なので、安心できる食事、トイレ、寝る場所があれば、縄張りは狭くても大丈夫」と説いた。
 参加者からは次々に飼い猫や地域猫によるトラブルの相談や質問が出され、加藤氏は1つ1つ丁寧に、「トイレは1匹につき2つがベスト」「外に出している猫を室内飼いにするには引っ越しがチャンス」、などさ知恵を伝授。最後に「それぞれの家庭に合った飼い方が必要。猫を飼うことは頭の体操」と、語りかけた。

写真=「室内飼いほうが猫は幸せ」と加藤さん