足立朝日

ハープの音色とともに人権教育を  永山友美子さん青井中で講演

掲載:2010年1月5日号
 青井中学校で昨年11月、人権教育の語りを交えてのアイリッシュハープの演奏会が開かれた。
 演奏はオペレッタ作家でもある、永山友美子さん。音楽教室を主宰する傍ら、学校、病院、更正施設などで演奏活動を行っている。

 アイリッシュハープは、小さめでオルゴールのような澄んだ音色が特徴の楽器。永山さんは絶妙のユーモアを交えたトークで生徒たちの心を掴み、「グリーンスリーブス」や映画「火垂るの墓」で知られる「埴生の宿」などを演奏。美しい音楽の合間に、様々なメッセージを伝えた。
 「想いは言葉にしないと伝わらない。大人も子どもも、人間は誰でもいつでも誰かに認めてもらいたい」「パソコン上で飛び交っている、うざい、キモイ、消えろ、死ね。汚らわしき言葉は悪意を含まなくても心を傷つけてしまう」と生徒たちに語りかける一方で、大人たちに向けて「周りでそんな言葉を使っていたら、いさめてあげて。愛情を美しい言葉とやさしい態度で伝えてください」「子どもは大人の言う様にはしない、大人のする様に育つ」と訴えた。
 「千の風になって」の演奏とともに、「どんなことがあっても、親より先に逝ってはいけない。好きなことを見つけて生きていって」との語りかけに、涙ぐむ生徒の姿も。最後は生徒たちが実際に弦に触れ、美しい音色を体験した。
 永山さんは終演後のインタビューで、子どもたちの置かれている環境を憂えた。「今の日本は悲惨なことになっている。例えば、運動会をカメラの狭い視界でしか見ない親が多いが、自分の子だけでなく、全体を見てお友だちを誉めてあげたりすることで、人の良さを認めることを教えることができる。子どもの教育にとっていいはずなのに」。これからも音楽を通して、少しでも現状を変えていきたいと永山さんは語った。
 永山さんへの演奏依頼は、日本子ども文化学会doraemonkoucho@syd.odn.ne.jp まで。

写真=アイリッシュハープを演奏する中山さん