足立朝日

育てたランの花に見守られて卒業  青井中学校

掲載:2010年3月20日号
 昨日3月19日(金)は、足立区立中学校の卒業式。生徒自らが育てたランの花に見送られて、旅立った学校がある。
 青井中学校(太田房子校長)の卒業生87人は、当日に合わせて昨年11月からオンシジュームを育ててきた。栽培が難しいランの中では育てやすいが、試行錯誤の連続だった。
 思いやりの心を実感させて卒業させたいという太田校長の発案で、150鉢を栽培。倉庫用の教室を使い、ラン係の8人の生徒が温度管理や水やりなどを根気よく続けた。1月から開花し、2月の世界らん展(東京ドーム)に栽培過程のパネルと一緒に出展した。
 霧吹き15回の水やりなど大変だったが、「日に日に咲いて行くのが感動だった」とラン係の1人・斉藤早苗さん。当日飾る50鉢を除いて、生徒たちは鉢を事前に持ち帰ったが、「自分で咲かせたい」と開花前のものが人気。斉藤さんも「また育てて、家族で咲いた瞬間が見たい」とつぼみを選んだ。
 大事に鉢を抱えて帰る卒業生の姿に、思いやりの心が花開いていた。


写真=ランの世話をする卒業生。咲き始めた花にほほ笑む=青井中