足立朝日

この1冊で 美味しい野菜と 出会える 名物八百屋 杉本さんが出版

掲載:2010年4月5日号
 千住旭町商店街にある杉本青果店(千住旭町13-10、TEL3881・3216)のご主人、杉本晃章(てるあき)さんが、『あなたは本当に美味しい野菜を食べていますか?』(竹書房・1300円税別)を出版した。 杉本さんは「美味しくて真っ当な野菜」に情熱を注ぎ、全国を飛び回っている〝八百屋のカリスマ〟 。徹底的に味と品質にこだわるだけでなく、珍しい新品種も積極的に店で紹介する。野菜はここで買えば間違いない、と通う客で店先は活気が溢れる。
 健康志向の高まりから野菜ブームと言われているが、日本での野菜の消費量は年々減少。2008年度の「国民一人が消費した野菜の量」は、20年前より15%も少ない。
 一番の理由は「野菜が美味しくなくなったから」というのが杉本さんの考えだ。見た目重視のスーパーマーケットの増加に伴い、病気にも寒さにも強く収穫しやすい「F1品種」が増え、本来の味の濃い野菜が減ったのだという。
 「美味しい野菜を選ぶ消費者が増えれば、生産者や店の考え方も変わり、美味しい野菜が増える。この本で得た知識でいい野菜を選んで欲しい」、という杉本さんの熱い思いが全編に込められている。
 載っている野菜や果物は40種類以上。それぞれ来歴、種類、旬の時期、栄養価、選び方、保存方法、調理の仕方やメニューなど丁寧に解説。初めて聞く品種や地域による違いなど、野菜の奥深さと豊かさに驚かされる。
 例えば、ネギは関が原を境に南側は青ねぎ、北側は白ねぎに分かれているというトリビアや、ビニール紐で束ねてある小松菜は個人農家産で美味しい、育ちすぎのキャベツは完熟していて甘いからオススメ、など目からウロコの知識が満載。
 読み終わると、野菜好きもそうでない人も、本物の美味しい野菜に出会いたくなる。毎日の食を豊かにしてくれる1冊だ。
 本は杉本青果店で買えばサイン入り。その他、アサヒ書店(千住旭町商店街)、北千住ルミネ・ブックファースト、北千住マルイ・紀伊国屋など、全国書店で絶賛発売中。

写真=おいしい野菜の調理方法などが詰まった主婦に嬉しい一冊