足立朝日

やさしい心を歌に 「和音(わいん)」デビュー

掲載:2010年5月5日号
美しい歌声で〝愛する心〟を広い世代に語りかける、足立区のグループ「和音(わいん)」が5月7日(金)、「君だけを/授かった生命」でCDデビューする。
 40~50代の3人組で、いずれも知的ハンディキャップ児者活動グループ「足立キッズクラブ」のメンバー。あたたかい詩には支援活動を通じて育まれてきた豊かな愛情が溢れ、澄んだメロディとともに心に響く。

曲にこめた想い
 「生きてる価値が無いなんて きっと良いとこがあるはず 生きる使命があるはず どうやって探し出そう」
 「授かった生命」のサビの部分の歌詞だ。重く深いテーマが、やさしく切ないメロディと、包み込むような伸びやかな女性の歌声で綴られる。
 この曲は、知的ハンディキャップ児の母親たちが、どんな時でも絶対に諦めずに我が子を支え続ける気持ちを歌ったもの。今の時代、自分に自信が持てず、自分の存在意義を見出せない若者や大人たちが聴いても、大切なメッセージを受け取れるに違いない。
 「君だけを」は、永遠の愛をテーマに、人生のパートナーへの深い想いを歌ったやさしさに満ちた曲で、年齢を問わず共感できる。

3人の和音
 「和音」の曲は、全てShun(シュン)さんが作詞・作曲し、Rei(レイ)さんとYoko(ヨーコ)さんがボーカルを担当している。
 「〝人のやさしさと愛する心〟をテーマに、60歳、70歳になっても歌えるポピュラーソングを作りたい」というShunさんの想いに2人が賛同し、12年前に結成。3人とも音楽活動のキャリアは長く、確かな実力の持ち主ばかりだ。2年前からライブハウスで大人向けの活動を開始。それが音楽関係者の目に止まった。
 プロの音楽活動は福祉とは別だが、根底には常に足立キッズクラブがあると、Shunさんは言う。「子どもたちとの活動の中で、いろいろ感じたり教えてもらったりしたことで、一歩深いことが描けるようになった」
 ReiさんとYokoさんはともに3児の母。「授かった命」はReiさんにとって、「自分も子どもがいるので、想いを込めすぎると泣いてしまう」。Yokoさんは
「君だけを」を、「いつまでも一緒に想っているよ、という気持ちを伝えたい」と歌う。2人の歩んできた人生への想いが、歌詞と溶け合って歌の世界を豊かに広げる。
 今後、ライ
ブも続々予定。「初めての人でも安心して楽しめるので、ぜひ聴きに来て」。やさしくあたたかい和音の世界が待っている。
【CD情報】
 5月7日(金)全国一斉発売。価格1050円(税込)。店頭に並ばないので、大手CDショップで予約購入かインターネットショッピングで予約購入。和音のライブ会場でも販売。
 和音のHPから視聴できるので、ぜひ聴いてみて。


写真=上/左からReiさん、Shunさん、Yokoさん
下/「君だけを/授かった命」のCD


▼5月9日(日)午後2時開演、梅島ユーコトピア(梅島3‐2‐18、梅島駅徒歩1分TEL3886・2996)料金=前売り1500円、当日1800円(1ドリンク別)
▼5月16日(日)午後6時15分開演、オーバーテイク(下北沢)。F1トークショー&和音ミニライブ
▼6月20日(日)午後12時半開演、赤坂グラフィティ


【メンバープロフィール】
▼Shun=作詞、作曲、ドラムなど様々な楽器を担当。中2から作詞、作曲を始めプロを目指す。「足立キッズクラブ」代表▼Rei=ボーカル担当。中学生からコーラスを始め、現在「足立区民合唱団」「アンサンブルかつこん」(葛飾)、「混声合唱団慈音(ジオン)」(新宿)所属。「足立キッズクラブ」副代表▼Yoko=ボーカル担当。所属する都内のコーラスグループ「エフェメール」は、アマチュア女性コーラス部門で世界一に輝く。「アンサンブル濤音(トーン)」(葛飾)にも所属。

【足立キッズクラブ】
 約15年前、Shunさんが「自分の天職」として設立した、知的ハンディキャップ児者活動グループ。子どもたちを預かり、放課後を楽しく過ごす活動をしている(少人数制)。会員、ボランティア募集中。連絡先TEL5691・0484中澤