足立朝日

帝京科学大学、足立区と災害協定 元宿小の防災拠点を継承

掲載:2010年6月5日号
 4月に千住キャンパスを開設した帝京科学大学(千住桜木2丁目)と足立区が5月26日(水)、災害時協定を締結した。
 内容は、同大学が震災等の災害時に地域住民等の避難所として施設を提供し、防災備蓄倉庫に区の食料等必要物資を備蓄することを盛り込んだ「避難所施設利用に関する協定」と、災害時の非常通信手段として区の防災無線を配備し、情報の授受を可能にする「足立区防災行政無線設備の設置等に関する協定」の2つ。
 同大学は元宿小学校跡地に開設されており、元宿小が避難所に指定されていたことから災害協定が跡地売却のプロポーザルの条件となっていた。
 大学の会議室で冲永莊八理事長と近藤やよい区長が記名押印し、滞りなく締結が完了。近藤区長は「木造密集地域もあり、安心安全の寄与に心強い」と感謝を述べるとともに「災害がもし昼間の時間帯に発生した場合、学生が区内で被災することになる。学生の安全確保のためにも、これを機会に防災訓練に参加してもらうなど、具体的なアクションプログラムを考えていきたい」と展望を語った。
 冲永理事長は「元宿小の担ってきた防災を継承できることは誇り」とし、自身が阪神・淡路大震災時に京都で震度5強を体験したことに触れ、「何が緊急に必要か間接的に体験した。役に立てれば」と区の期待に応じた。
 その後の歓談の中で、近隣22商店街で歓迎フラッグが立てられたことへの驚きと喜びが、大学側から語られた。現在、同キャンパスの学生は新入生500人だが、4年後には2000人を超える見込みという。

写真=協定を締結した近藤区長と冲永理事長(右)=帝京科学大学で