足立朝日

足立区を大歓迎 バタフライショーシンシナティ 視察を報告

掲載:2010年6月5日号
 足立区生物園で飼育した蝶が、アメリカ・オハイオ州シンシナティ市立クローン植物園で開催中の「バタフライショー2010」に展示されているのに合わせて、足立区から5人の親善使節が4月28日~5月3日、現地を視察訪問した。
 その報告会が5月21日(金)、近藤区長らも出席して区役所で行われた。
 視察訪問メンバーは榎本太郎・生物園園長、関根雅史・同園解説員、岡本明久・同園蝶飼育員、浅香孝子・江北村の歴史を伝える会会長、佐藤貞子・同会員の5人。
 シンシナティに贈った桜湯などお土産の数々と、先方から贈られた野球チームREDSのユニフォームや写真集が展示され、現地での歓迎ぶりを驚きと感激をもって報告した。
 生物園から提供した蝶は順調に育ち、5種のうちリュウキュウアサギマダラが先に孵化したという。また、スズムシの卵も「期待していた以上に丁寧に飼ってくれていた」と園長。生物園スタッフにとって印象深かったのが、先方の視察団が昨年区生物園に訪れた際に学んだ蝶を傷めない展示方法が、温室での放蝶プログラムに活かされていたことだという。足立区生物園の技術の高さが実証されたエピソードでもある。
 今回、縁あって五色桜の穂木も10本寄贈したことについて、浅香会長は「シンシナティに最初に渡った桜は、私たち足立区の桜。大変な歴史」と実感を込めた。現地では、かつて江北五色桜をワシントンに寄贈した時の、タフト大統領の資料館にも足を運び、数々の資料を写真に収めたほか、タフト夫人が桜の時期に偶然日本に立ち寄っていたという初エピソードも入手。収穫は多く、「今回行ったことを記録に残し伝えていくことに重みを感じた」と語った。
 榎本園長は、「不思議な縁でできた足立区とシンシナティの友好関係を、これからも継続していきたい」としている。

写真=報告する視察メンバー。手前から浅香さん、佐藤さん、榎本園長、関根解説員、岡本飼育員=区役所で