足立朝日

「花畑川を活かしたまちづくり」 動き出す 十三中生徒らが実践的な学習

掲載:2017年8月5日号
 「花畑川という町なかの珍しい運河を中心に、希望あふれるまちづくりをしよう」――という趣旨で、NPO団体が中心になって、地元の第十三中学校生徒や父母を巻き込んだまちづくり運動が7月にスタートした。1~2年間を通して川や街の将来像を考えていく珍しい取り組みとして注目される。



◆住民が「かわまちづくり」を主導へ
「花畑運河」は、昭和6(1931)年に北関東穀倉地帯と東京を結ぶ舟運の混雑解消を目的に、綾瀬川と中川を東西に結ぶ約1400m、幅33mで開削されたもの。
15年前、区は、水質が悪化していた綾瀬川に環境用水を引き入れるため、同運河の親水護岸整備を行うという基本計画を決定。これに基づいて橋などの整備が進められてきたが、予算の関係で遅れ気味。
そこで立ち上がったのが、NPO「エコロジー夢企画」(三井元子代表)。三井代表は、以前から足立の環境問題に取り組み、桑袋や荒川ワンドのビオトープ公園&広場の造成に関わり、荒川河川敷の清掃活動や一時「日本一汚い」と言われていた綾瀬川の水質調査・浄化運動に時間をかけてきた。
2003年(平成15年)から始めた環境運動「エコ夢探検隊」活動に延べ600人を動員。Eボートという救命・防災用のボートに子どもたちを乗せ、昆虫や魚を繰り返し調査してきた。
特に、近年の下水道の完備に伴う綾瀬川の浄化は目覚ましく、アユの遡上が始まったのがここ数年。さいたま市岩槻区では約7時間の調査で、これまでで最高のアユ54匹が捕獲された。
◆まちづくりトラスト助成金で行う「花畑川を活かしたまちづくり」事業
「夢企画」では、国土交通省が提唱する「かわまちづくり」事業の足立区版として、花畑川再生のまちづくり計画を策定。これを運河と隣接する第十三中の生徒の生きた環境授業と結びつけ、「あだちまちづくりトラスト」助成金事業として申請、今春これが認められた。
7月8日(土)、十三中2年生(226人)の総合学習として、同校と花畑川でワークショップが行われた。これには、同校の武藤秀徳校長、教員、「開かれた学校づくり協議会」(西岡丈夫代表)の父母、神明美化グループ、NPOあらかわ学会らメンバーも参加した。Eボートの指導を委託したNPO地域交流センターも全面協力。教室では、花畑運河の歴史を学び、水質を調査。運河では5艘のEボートに7~8人で乗船体験。参加した2年2組の工藤爽楽さんは「水は思ったよりきれい。男の子がオールでカニを獲ったのにはびっくり」と話した。
最後の全体会では、三井代表が「早くホタルが見られるようになるといいね」と話すと、みんなうなずき、西岡協議会代表は「今日は命の勉強をした。みんなの協力で、この楽しいイベントが出来たことを感謝しよう」と語った。
会では、次回9月10日(日)午後1時半~地域住民とのワークショップを開催する予定。
◆区は花畑川環境整備計画の見直し進める
今年3月、区は議会の建設委員会に、「花畑川環境整備計画の見直し」を報告。それによると、綾瀬川側と中川側の両水門にポンプ場を作り、取・排水により水位をコントロールして水深を現在の最大3mから1m程度にする。それにより親水護岸を小さくする。水路幅を自由に設定できるようにすることで、現在歩道橋のみの富士見橋は、水路幅を狭め埋め立てて道路形式にする。
工事は、一時花畑川の水をすべて汲み出し、盛り土、護岸・遊歩道整備などを一体として行うことで予算と手間を削減しようというもの。平成29年度に4800万円で基礎調査を行い、同31年度以降に着工する方針。
これに対し、「花畑川をただの人工のお堀にすることなく、水と緑、生き物による水辺と都市の再生のシンボルにしてほしい」という声が住民から出ている。




写真上/挨拶する三井代表=十三中体育館で
中/花畑運河でのEボート体験
下/「きれいかな?」と水質検査=十三中で