足立朝日

わらび座ミュージカル「ブッダ」再び

掲載:2018年1月5日号
 2013年~2014年にわたる290回の公演により、全国各地で18万848人が観劇したミュージカル「ブッダ」。日本が誇る漫画家・故手塚治虫と親交を結んだわらび座が、同氏の作品「火の鳥 鳳凰編」「アトム」に続く第3弾として臨んだ超大作である。今や、世界のどこにでも起こりうるテロ。子どもでさえ加害者になる現実に心を痛めたわらび座が、今こそ「命の大切さ」「お互いを認め合う心」を伝えたいとの想いで、「ブッダ」の再演に踏み切った。
 頭を丸め、再びシッダールタ(ブッダ)を演じる戎本みろは想いを語る。「前回290公演のハードさや、色々な役をやりたいという想いから、もう出来ないと思ったが、演出の栗山民也さんが再演をとても喜んでくださったため、今、この時代に自分がブッダを演じることの意味を考えて気持ちが切り替わった。初演時の迷いや硬さが抜けて、すっとブッダに入れた自分を感じる」
 初演で、復讐の鬼と化したタッタを演じ、今回も同役に再挑戦する三重野葵の想いもまた深い。「今の世の中、またタッタのような人間が生まれるのではないかという危機感がある。ブッダとの巡り会いにより、タッタが大事なものを見つけて変化していく姿をご覧いただくことが、何かを考えるきっかけになればうれしい。それを初演時よりも強く想う。タッタの根本をゼロから創り直すことから始めたい」
 同作品は「人間はなぜ生きるのか、なぜ生き続けなければならないのか――」を問いかける。戎本は「それを考え続けること、考えることをやめない・諦めないことが大事」と力を込める。2人は「私たちが今在るのは、両親はじめ先祖のいくつもの命が連鎖しているからで、自分だけの命ではない。だから命は大切であるということも、より多くの方にこの作品で伝えたい」と熱望している。
【日時】2月15日(木)18時30分、16日(金)11時・15時、17日(土)完売【料金】S席6千円、A席5千円【場所】シアター1010【チケット】TEL048・286・8730、わらび座関東・中部事務所、【Eメール】

写真上/戎本みろ
下/三重野葵