足立朝日

「時間の大切さ」を伝えたい 足立区・塚本ユージさん be絵本大賞「かいとう あっというま」

掲載:2018年8月5日号
 時間に追われる日々の中、何のために働いているのかわからない――。そんな大人にも贈りたい絵本「かいとう あっというま」(扶桑社/税込1512円)が、6月22日(金)に刊行された(北千住ルミネ8階「ブックファースト」で発売中)。
 著者は足立区で生まれ育ち、千住にデザイン事務所を構える塚本ユージさん(38)。これが初の絵本で、第10回「be絵本大賞」(フジテレビKIDS、BSフジ、ポニーキャニオン、扶桑社)を受賞。選考委員の秋元康氏、茂木健一郎氏、武田双雲氏から絶賛された。
 誰もが子どもの頃に感じた「楽しい時間があっという間に終わってしまうのはなぜ?」という疑問を題材に、楽しい時間を盗む大泥棒「かいとう あっというま」が登場。「あっというま」が捕まると、楽しい時間は何時までも続くようになったが――。限りある時間への想いに、ホロッとしてしまう。
 イラストはあたたかさと奥行きのあるファンタジックな色合いが魅力。パステルを塗り込んだ紙をPCに取り込み、切り絵に加工しているそうだ。
 塚本さんは「自分らしく生きる」道を選び実践しているが、経歴もユニークだ。ミュージシャンを目指しバンド活動をしていたが挫折。美大卒業後フリーターを経て、結婚を機に就職し、イラストの仕事を始めるも3回転職。子どもが2歳になった時、「この時は今しかないのに会える時間が少ない」と独立した。NHK「おかあさんといっしょ」歌のイラスト、小学校の音楽教科書表紙、足立区ベジタベライフ・ロゴマークなどを手掛けたほか、ワークショップや講演会など活動は幅広い。
 「子どもの成長はあっという間すぎて、時間を長く感じられる方法を探していた」中で、書き溜めた日記から絵本制作に思い至ったという。
 今では10歳、6歳、2歳の3人の父親。「生まれてきただけで、幸せをいっぱい貰ったので、恩返ししたい」と塚本さん。絵本に目覚めた今、物語の構想が目白押しだそうだ。
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写真/大賞の自著を手に、塚本さん